トルドー・カナダ首相、G20サミットでインド太平洋地域への一層の関与発表

(カナダ、インドネシア、米国、EU、ロシア、ウクライナ、G7)

トロント発

2022年11月18日

カナダのジャスティン・トルドー首相は11月16日、インドネシアのバリ島で開催されたG20サミットを通じて、カナダがインド太平洋地域へ積極的に関与するパートナーとなるための各種の支援策を発表するとともに、気候変動など各国が共有している対処すべき優先事項への取り組みを推進したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

支援策としてトルドー首相は、政府機関のカナダ輸出開発公社傘下の開発融資機関フィンデブ・カナダ(FinDev Canada)への7億5,000万カナダ・ドル(約787億5,000万円、Cドル、1Cドル=約105円)の投入を表明した。同機関を通じて、インド太平洋地域でのインフラ需要や既存の資金不足などに対応する支援を行い、同地域でのカナダ民間部門の活動や影響を強化する。米国のジョー・バイデン大統領、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領が共催した「世界インフラと投資のためのパートナーシップ」のイベントで明らかにした。

トルドー首相はまた、インドネシアでの気候変動への適応と緩和の取り組みに4,800万Cドルを投じることも明らかにした。さらに、2021年に開始したカナダ・インドネシア包括的経済連携協定に向けた交渉の進展について触れ、両国の国民と企業に雇用と機会を創出することになるだろうと述べた。

また、G7首脳とインドネシアは、包括的な方法でクリーン・エネルギーへの移行を加速するため、インドネシア政府との新たな「公正なエネルギー移行パートナーシップ(JETP)」についての共同声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。カナダは、この新パートナーシップの下、既存の気候変動に関する公約から5億5,000万Cドルをインドネシアに割り当てる予定であることを明らかにした。

トルドー首相はさらに、ウクライナへの軍事支援として5億Cドルの追加拠出や、ロシアの野党指導者に対する人権侵害に関与したロシアの司法・治安部門のメンバー23人に対する新たな制裁、カナダが英国で行っているカナダ軍のウクライナ軍新兵の訓練任務の2023年12月末までの延長を発表した。

トルドー首相は会見で「世界の舞台で、カナダは常にわれわれの価値を守りながら、現代の重要な課題を前進させていく。われわれが力を合わせれば、野心的な気候変動対策から、雇用の創出、平和と安全の維持、全ての人に利益をもたらす経済成長に至るまでの素晴らしい事々を成し遂げることができる」と述べた。

(飯田洋子)

(カナダ、インドネシア、米国、EU、ロシア、ウクライナ、G7)

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