中国発米国向けのコンテナ運賃、輸出減少で大幅減

(世界、米国、中国)

国際経済課

2022年11月01日

日本海事センターが10月26日に更新した「コンテナ運賃動向」によると、9月の中国・上海港から米国主要港向けのコンテナ運賃が大幅に低下した。ロサンゼルス港向け、ニューヨーク港向けの両航路とも7月ごろから前年同月比で減少傾向がみられるが、9月の減少幅は特に大きかった。

40フィートコンテナの運賃で比較すると、ロサンゼルス向けが前年同月比52.5%減の5,380ドル、ニューヨーク向けが37.8%減の9,130ドルだった。新型コロナウイルス流行前の2019年と比較して、依然として高い水準が続いているものの、2021年初頭からの急激な運賃高騰には一服感がみられる。

主な背景には、中国から米国への輸出の減少がある。同輸出額は2022年8月、2年2カ月ぶりに前年同月比3.8%減と減少に転じた。さらに9月は同11.6%減と減少幅が増加した。主要輸出品目別にみると、玩具類、家具、アパレルなど、年末商戦向けと思われる製品の輸出額の減少が目立つ。経済成長の鈍化が予測されているほか、長期化する高インフレによる消費意欲の低迷などが響いているとみられる。

東南アジアに拠点を持つ日系輸送業者によると、中国から米国向けの貨物が減少している影響で、「7月ごろからコンテナ運賃が下がり始めており、スペースの確保もしやすくなった」という(10月10日時点)。世界で最もコンテナ貨物が集中する中国~米国西海岸向けの船舶スペースに余裕ができたことで、その他の航路での国際物流の混乱も解消傾向にあるといえるだろう。

米国では、西海岸のハブ港などから周辺港に貨物を分散させる動きが進む。デンマーク海運大手のAPモラー・マースクは10月25日の発表で、西海岸の港湾混雑は著しく緩和がみられるが、ヒューストン港やサバンナ港などでの貨物量や沖待ち日数は増加していると指摘した。2020年後半以降の西海岸港湾の混雑の常態化、さらには2022年5月中旬から始まった労使交渉の長期化により、多くの企業でリスク回避のため、陸揚げ港を東海岸やメキシコ湾に切り替える動きが進展したことが背景にある。

また、OPECプラスの大幅減産発表により、原油価格の上昇に伴う燃料サーチャージ増加への懸念も高まっている。加えて、新型コロナの局所的な流行によるロックダウンやコンテナ港でのストライキなどの国際物流に混乱を引き起こす要因が突発的に発生するリスクもゼロとは言い切れず、見通しには不透明さが残る。

(田中麻理)

(世界、米国、中国)

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