OPECの世界石油見通し、石油需要は2045年に2021年比13%増と予測

(中東、アフリカ、世界)

中東アフリカ課

2022年11月07日

OPECは10月31日、2022年版の「世界石油見通し」(World Oil Outlook)を発表し、2045年の世界の石油需要は2021年から13%増加して、1日当たり1億980万バレルとなると予測した(OPECプレスリリース10月31日)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

OPECは、2021年から2045年にかけて世界の人口が95億人(16億人の増加)に、GDPが270兆ドル(約2倍)になると予測した上で、2045年には一次エネルギーの需要が23%増加するとした。そのため、世界全体で2045年までに、石油に換算して1日当たり平均270万バレルのエネルギーが毎年追加で必要となる。また、同予測期間を通じて、石油はエネルギーミックスで最も高いシェアを維持するとも述べた。

石油需要については、OECD加盟国で2024年以降減少傾向となり、2045年に24%減となる一方で、それ以外の国・地域では45%増となり、特にインドやアフリカで大幅な需要増加が見込まれるとした。また、電気自動車(EV)の普及が急速に進んでも、ガソリンエンジンなどの内燃機関は乗用・商用の道路輸送分野の主要な技術と予測した。

OPECは、現在の地政学的状況で、気候変動対策に加え、世界各国はエネルギー安全保障の問題にますます注目していると述べた。加えて、多くの発展途上国でエネルギー貧困が課題と指摘した上で、世界の石油需要増加に対応するため、2045年までに合計12兆1,000億ドルの石油関連投資が必要とした。

なお、国際エネルギー機関(IEA)は10月27日に発表した2022年版「世界エネルギー見通し」の中でOPECとは異なる予測をしており、全ての化石燃料の総需要は2020年代半ばにピークを迎え、石油については2030年代半ば以降、減少に転じると分析している(2022年10月28日記事参照)。

(久保田夏帆)

(中東、アフリカ、世界)

ビジネス短信 5e3e45cc138e62d8