欧州委、フランス・サノフィ製の新型コロナワクチンをブースター接種用として承認

(EU)

ブリュッセル発

2022年11月18日

欧州委員会は1110日、EUの医薬品規制当局である欧州医薬品庁(EMA)の承認勧告を受け、フランスのサノフィが開発した新型コロナウイルス向けの組み換えタンパクワクチンを承認した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。サノフィ製ワクチンは、EUで承認された新型コロナワクチンとしては、mRNAワクチン(米国ファイザーとドイツ・ビオンテック、米国モデルナ)、ウイルスベクターワクチン(英国アストラゼネカ、米国ジョンソン・エンド・ジョンソン:ヤンセンファーマ)、組み換えタンパクワクチン(米国ノババックス)、不活性化ワクチン(フランス・バネルバ)に続き、7件目となる。

サノフィ製ワクチンは、mRNAワクチンあるいはウイルスベクターワクチンの初回接種から4カ月が経過した18歳以上を対象に、ブースター接種用としての販売が認められる。

サノフィ製ワクチンは、新型コロナウイルスのベータ株を基にしており、オミクロン株派生型BA.1や、BA.4BA.5に対応したワクチンとして、既に販売承認を受けているファイザー・ビオンテック製(2022年9月2日記事参照2022年9月14日記事参照)やモデルナ製のようなオミクロン株対応型ワクチンではない。ただし、治験結果によると、サノフィ製ワクチンは、ファイザー・ビオンテック製ワクチンと比較して、オミクロン株変異型BA.1に対してより多くの抗体を産生するとしており、EMAは、サノフィ製ワクチンのブースター接種用としての効果は、ファイザー・ビオンテック製ワクチンと少なくとも同等と結論付けている。

(吉沼啓介)

(EU)

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