初の高速道路が開通、プノンペン~シアヌークビル間
(カンボジア)
プノンペン発
2022年11月10日
カンボジアの首都プノンペンと国際物流の最大拠点である南部港湾都市のシアヌークビルをつなぐ高速道路(187.05キロ)が11月1日に正式開通した(注)。高速道路の開通はカンボジアで初となる。この高速道路を利用することで、同区間の走行時間は、これまでの片道5~6時間から2時間余りに短縮され、物流の効率化や経済の活性化が期待される。
通行料金は車の種類と走行距離に応じて定めている(添付資料表参照)。開通初年度(2022年11月1 日~2023 年10月31日)は20%の割引を適用する。例えば、当該期間中はプノンペンからシアヌークビルまで、7人乗り以下の乗用車の場合、約12ドルで通行可能となる。
同高速道路は、中国政府系の中国路橋工程(CRBC)の現地法人がBOT(建設・運営・譲渡)方式で受託(2020年1月8日記事参照)。片側2車線で、制限速度が乗用車は時速120キロ、トラックは時速100キロに設定している。カンボジア公共事業運輸省によると、高速道路の各所には速度違反を検知するカメラを設置しており、制限速度を超えると罰金を科すという。
10月の試験運用期間中は、渋滞時に緊急車線を通行する車や、緊急車線に駐車して記念撮影をする者がいるなど、安全面の課題が露呈した。政府は緊急時以外は緊急レーンを使用しないよう呼びかけている。
カンボジア公共事業運輸省は、プノンペンとベトナム国境近くの経済特区バベットを結ぶ第2の高速道路を建設する意向で、2023年半ばに起工する見通しが示されている。
(注)高速道路は10月1日から31日まで試験運用期間として1カ月間無料で一般開放され、約44万台の車両が通行した。11月1日の正式開通より、料金徴収を開始した。
(藤田ゆか)
(カンボジア)
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