国内初となるサル痘感染死亡例を確認

(チリ)

サンティアゴ発

2022年11月17日

チリ保健省は1116日、国内で初めてとなるサル痘感染者の死亡例を確認したと発表した。死亡したのは、929日にサル痘に感染した免疫系の基礎疾患を患っていた成人男性と発表されている。世界で確認されているサル痘による死亡例は50件で、汎(はん)米保健機構(PAHO)の発表によると、全体の60%に当たる30件が米州諸国でのもので、その内訳はブラジル12件、米国11件、メキシコ4件、エクアドル2件、キューバ1件となっている。

チリ国内で初めてサル痘への感染者が確認されたのは617日(2022年6月21日記事参照)だった。1110日までに1,226人の感染者が確認されており、そのうち152人が入院している。感染者全体の84.2%がサンティアゴ首都圏州に集中しており、98.3%が男性となっている。

チリ政府は1019日から、サル痘感染者の濃厚接触者のうち、免疫不全症患者、後天性免疫不全症候群(HIV)患者、妊婦など、重症化リスクが高い人に対してワクチン接種を開始した。接種には、デンマークのバイオ医薬品会社ババリアン・ノルディックが開発した「インバネックス」(米国での販売名「ジンネオス」)を使用している。ワクチンの接種回数は2回で、少なくとも4週間の接種間隔を空ける必要がある。

(岡戸美澪)

(チリ)

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