政府系シンクタンク、2023年の経済成長率は1.8%にとどまると予測

(韓国)

ソウル発

2022年11月18日

国務総理(国務調整室)傘下の韓国開発研究院(KDI)は1110日、2023年の経済(GDP)成長率の見通しを公表した。2023年は、輸出の増加率が大きく鈍化し、投資の不振が続き、1.8%の成長にとどまるとの見通しとなった(添付資料表参照、注)。

・民間消費は、新型コロナウイルスによる制約の影響が徐々になくなり、サービス消費が回復するものの、物価上昇による実質購買力の低下と市場金利の上昇で消費が鈍化し、2022年(暫定値、以下同じ)の4.7%増より低い3.1%増となる見込み。

・設備投資は、半導体市場の景気鈍化と対外的な不確実性により、2022年の3.7%減に続き、2023年も0.7%増と低い増加率にとどまる見通し。

・建設投資は、住宅市場の不振と資金調達環境の悪化により、2022年の3.0%減に続き、2023年も0.2%増と低水準が続くと予想される。

・輸出は、国・地域間の人の移動が増加し、サービス輸出が回復するものの、世界景気の減速で財貨の輸出が伸び悩み、1.6%の増加にとどまる見通し。

2023年の経常収支は、サービス収支の赤字幅の拡大に伴い、2022年の黒字幅(230億ドル)が縮小し、全体では160億ドルの黒字となる見込み。

2023年の消費者物価は、国際原油価格が安定し上昇幅は縮小するものの、依然として物価安定目標(2%)を上回る3.2%の上昇率となる見通し。

・就業者数は、2023年も良好な雇用環境が続くものの、ベース効果と高齢化により2022年の79万人増から大きく減少し、8万人増にとどまる見通し。

(注)IMF1011日に韓国の2023年経済成長率の見通しを2.0%、OECD919日に同2.2%との見通しを発表している。なお、KDIの今回の発表は、2023年の原油価格(ドバイ原油)が1バレル84ドル前後、実質実効為替レートで評価した韓国ウォンの価値が4%程度高くなることを前提としている。

(当間正明)

(韓国)

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