米商務省、AD手続きでロシアの市場経済国認定を取り消し

(米国、ロシア)

米州課

2022年11月14日

米国商務省は11月10日、アンチダンピング税(AD)の手続きで、ロシアの市場経済国としてのステータスを取り消す外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと発表した。今後、ロシアは「非市場経済国」として扱われる。商務省は5月からステータスの見直しに着手していた(2022年5月13日記事参照)。

米国では、ADや相殺関税(CVD)の対象国が「市場経済国」か否かを判断する際に、商務省が6つの要素を基準に検証することになっている(注)。今回の決定に至る調査で、商務省は、ロシア政府の経済への広範な関与がゆがんだ価格設定につながり、米国でロシア企業からの輸入品に公正な価格が反映されていないことを確認できたとしている。特に、2月のロシアによるウクライナ侵攻以降、その傾向が顕著とした。

今回のロシアの非市場経済国認定により、今後、同国からの輸入品に対するAD計算では、同等の商品を生産して経済発展度合いが同等の国の市場価格を用いることができる。これにより、商務省は、米国の製造業に損害を与えるロシアの不公正な貿易慣行により効果的に対処できるようになると発表している。

ジェフリー・ケスラー元商務次官補によると、市場経済国認定は一度認定すると後戻りしない「ラチェット条項」のようなものだったため、「市場経済国に認定された国が非市場経済国に再認定されることは初めて」という。また、同氏は「この決定は、商務省によるADのより正確な評価を可能にするだけでなく、米国の例にならい、他国にも影響を与える可能性がある」と述べている(米通商専門誌「インサイドUSトレード」11月10日)。

なお、今回の発表では、CVDについては明示的には触れていない。

(注)6つの要素は次のとおり。(1)当該国の通貨が他国の通貨と交換可能かどうか、(2)賃金が労使間の自由な交渉によって決定されているかどうか、(3)外国企業による合弁事業やその他の投資が認められているかどうか、(4)政府が生産手段をどの程度管理しているか、(5)政府が資源配分や価格・生産量に関する企業の決定をどの程度管理しているか、(6)管轄当局が適切と考えるその他の要素。

(赤平大寿)

(米国、ロシア)

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