米商務省、ロシアの市場経済国ステータスの見直しに着手

(米国、ロシア、ウクライナ)

ニューヨーク発

2022年05月13日

米国商務省は5月13日、貿易救済措置においてロシアに認めている「市場経済国」のステータスの見直しに着手したと官報で公示外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。見直しで「非市場経済国」と判定された場合、同国からの輸入に米国が発動するアンチ・ダンピング税(AD)や相殺関税(CVD)の税率が高く算定される可能性がある。

これはロシアからの肥料の輸入に対する米国企業からのAD・CVD発動の申請を受けた動きとなる。申請自体は2021年6月に行われており、ロシアが市場原理に則っていないことを理由に挙げていた。商務省は同年10月に、審査の結果、ロシアは引き続き「市場経済国」と認められるが、期待された経済改革が進んでいないとし事態を監視するとしていた。申請企業は2022年3月に再び商務省に対して、ロシアの「市場経済国」ステータスの見直しを求めた結果、今回の見直し着手につながった。

AD・CVDの対象国が「市場経済国」か否かを判断する上で、商務省は次の6要素を検証することになっている。(1)当該国の通貨が他国の通貨と交換可能かどうか、(2)賃金が労使間の自由な交渉によって決定されているかどうか、(3)外国企業による合弁事業やその他の投資が認められているかどうか、(4)政府が生産手段をどの程度管理しているか、(5)政府が資源配分や価格・生産量に関する企業の決定をどの程度管理しているか、(6)管轄当局が適切と考えるその他の要素。商務省のエコノミストが検証結果をまとめたメモによると、ロシアによるウクライナ侵攻以降、上記(2)以外について市場経済に逆行する動きが見られると指摘している。例えば(1)では、ロシアが諸外国からの金融制裁を受けて、ルーブルの安定化のために課した金融取引に関する規制などが指摘事項に含まれている(2022年3月4日記事参照)。見直しの結果は、着手から270日以内か、全ての利害関係者がその結果に合意してから45日以内に発表するとしている。ロシアの「市場経済国」ステータスの見直しについては、通商代表部(USTR)代表を務めた経験のあるロブ・ポートマン上院議員(共和、オハイオ州)など有力議員からも要請が出ていた外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

なお、商務省が「非市場経済国」としている国外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは現在、中国やベトナムを含む11カ国(注)となっている。

(注)非市場経済国としている国は、アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、中国、ジョージア、キルギス、モルドバ、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、ベトナム。

(磯部真一) 

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