米カリフォルニア州の中間選挙、現職州知事が2期目へ

(米国)

サンフランシスコ発

2022年11月10日

米国カリフォルニア州で11月8日、中間選挙と同時に行われた知事選で、事前の世論調査の結果どおり(2022年11月1日記事参照)、現職のギャビン・ニューサム知事(民主党)が、元同州議会議員のブライアン・ダーレ氏(共和党)を得票率60.6%対39.4%(現地時間8日午後8時30分時点の速報値)で大きく引き離し、2期目を確実にした。

連邦議会上院選では、カマラ・ハリス氏の副大統領就任に伴い、後任として2020年12月にニューサム知事に選任されていたアレックス・パディヤ氏(民主党)の得票率が6割を超えており(同8日午後9時時点の速報値)、弁護士のマーク・ミューサー氏(共和党)を引き離して、当選確実とした。これにより、パディヤ氏は今期の残り任期(2023年1月3日まで)と新たな任期(2023年1月3日から6年)で上院議員を務めることになる。

中間選挙では、有権者が州内の住民提案次項(プロポジション)についても投票が行われた。ゼロエミッション車(ZEV)購入インセンティブや森林火災予防の財源確保を目的に、年間個人所得が200万ドル以上の納税者に州所得税の上乗せを提案するプロポジション30は、賛成41.0%、反対59.0%(9日午前7時時点の速報値)で否決が濃厚となった。ニューサム知事は2020年、ガソリン乗用車の新車販売を2035年までに全面廃止する知事令を発出するなど、同州の脱炭素化を推し進める一方、プロポジション30に対しては反対を表明していた(2022年9月28日記事参照)。また、生殖の自由(人工中絶を受ける選択と、避妊の選択あるいは拒否)に関する基本的人権を同州憲法に明確に含むよう改正を提案するプロポジション1は、賛成68.0%、反対32.0%(8日午後11時時点の速報値)は可決の見通しとなった。現在のカリフォルニア州法は、あらゆる個人の生殖に関する決定(人工中絶の選択、避妊の選択あるいは拒否)についても、プライバシーが守られる基本的権利を有するが、同州憲法に基本的人権として明確に含むことで、州が個人の生殖の選択に関する選択を否定または介入できないようにするためとしている。反対派は、同州では女性が選択する権利は既に州法で保証されており、同プロポジションは納税者負担での妊娠後期の人工中絶を認めることになると反対していた。

(田中三保子)

(米国)

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