高止まりのインフレ率、10月の非食品セクターは9.5%超えに

(バングラデシュ)

ダッカ発

2022年11月29日

バングラデシュ統計局は10月の消費者物価指数(CPI)上昇率を8.91%、前年同月比で3.21ポイント増と発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。

同国では6月に記録的なCPI上昇率(7.56%)を記録(2022年7月27日記事参照)して以降、インフレ率は高止まりしており、ガソリンやディーゼル燃料の価格が大幅に引き上げられた(2022年9月22日記事参照)。8月には9.52%(前年同月比3.98%増)まで上昇している。10月時点でCPIはやや減少傾向にあるものの、非食品セクターに限っては上昇が続いており、国全体で同9.58%、農村部では同9.98%にまで達している状況だ。

全国的なコメ市場価格の高騰による一般の労働者層や貧困層への影響に関する報道もみられる中(「フィナンシャル・エクスプレス」紙11月19日)、ある日系製造業の関係者からは「現状のインフレは大多数のワーカーにとって耐え難い状況だ」という声も聞かれる。

IMFが10月に発表した「世界経済見通し外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」は、バングラデシュの2022/2023年度(2022年7月~2023年6月)のインフレ率(年間平均)は9.1%と予測しており、2023年のアジアの新興・途上国の年間の平均値予測(3.6%)との比較でも高い数値となっている。

また、通貨タカの対ドル為替レートは輸入品の物価に影響するため、インフレ率の引上げ要因にもつながる。インフレ率は従業員の賃金上昇や調達価格の上昇にも直接的に影響するため、今後も主要経済指標として、動向を引き続き注視する必要がある。

(山田和則)

(バングラデシュ)

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