日米韓首脳会談を開催、経済安全保障対話の新設で合意、韓国発表

(韓国、米国、日本)

ソウル発

2022年11月14日

韓国大統領府は11月14日、プノンペンで尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領がジョー・バイデン米国大統領、岸田文雄首相と日米韓首脳会談を開催し、北朝鮮の核問題や経済安全保障、地域および世界の諸懸案に関する3カ国の協力について協議したと発表した。

首脳会談では、北朝鮮による挑発的な行為について深刻な懸念を共有し、北朝鮮の行為を強力に糾弾するとともに、日米韓のこれまでの緊密な協力を評価し、朝鮮半島と北東アジアの平和と安定を実現するため、日米韓協力を今後さらに強化していく必要があるという認識を共有した。バイデン大統領は、韓国と日本に対する米国の強固な防衛や拡大力抑止を再確認し、日米韓首脳は北朝鮮のミサイルの探知・評価能力を向上させるため、ミサイル警報情報をリアルタイムで共有したいとの意向を表明した。

経済安全保障では、先端技術やサプライチェーン、エネルギーなどでの3カ国協力を強化する必要性が高まっているとして、新たに「日米韓経済安全保障対話」を設置することで合意した。今回の首脳会談では、初の包括的な共同声明を採択し、(1)北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対応した抑止力強化を再確認、(2)北朝鮮のミサイルに関する3カ国間のリアルタイムの情報共有の意向表明、(3)3カ国間の経済安全保障会議の新設、(4)経済的抑圧に対する3カ国間の連携、(5)韓国のインド太平洋戦略に対する日米両国首脳の歓迎と今後の協力、(6)サプライチェーン、気候変動、デジタル経済などの課題に対応する協力強化といった成果を収めることができた。

韓国の「聯合ニュース」(11月13日)は、日米韓が採択した共同声明文の全文を掲載している。これによると、日米韓の経済分野協力は、人工知能(AI)や量子技術、バイオ技術、開放型無線通信網(Open-RAN)など多岐にわたっている。さらに、3カ国首脳は開放性、透明性、包容性の原則に基づき、インド太平洋経済枠組み(IPEF)を通じ、緊密に協力していくことも盛り込んでいる。気候変動対策では、3カ国が2050年までにカーボンニュートラルを達成すること、これに向けた原子力、次世代バッテリー、グリーン水素、アンモニア、二酸化炭素(CO2)の回収・有効利用・貯留(CCUS)など、クリーンエネルギー技術の革新と活用が温室効果ガス削減に必要不可欠という点を強調している。

(当間正明)

(韓国、米国、日本)

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