財務省、フリーゾーン内で製造のEVの関税免除措置の詳細発表

(タイ)

バンコク発

2022年11月10日

タイ財務省は9月26日、国内での電気自動車(EV)普及を促進する施策の一環として、関税フリーゾーン/タイ工業団地公社(IEAT)フリーゾーンで組み立て/製造された国内市場向けバッテリー電気自動車(BEV、注1)に対する関税特権に関する告示外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。同告示では、10月8日から12月31日の間、フリーゾーンから持ち出されるBEVを対象に、輸入関税の免除措置を付与する。

同告示に基づく免税措置の適用を受けるためには、以下の基準・条件を満たす必要がある。

1.ローカル・コンテント額(タイ国産原材料費、ASEAN加盟国産原材料費、輸入バッテリーセル費、人件費、その他の製造コストの値で構成)が工場渡し価格の40%を超えていること(関連用語の定義は告示添付に詳しい記載あり)。

2.ローカル・コンテント額の算出に使用する原材料価格は以下のとおり。

  • 他のフリーゾーン区域から移転した原材料:同区域に移転した時点のFOB価格
  • ASEANから輸入した原材料:ASEAN物品貿易協定(ATIGA)を利用して輸出した際のFOB価格
  • 外国から輸入したバッテリーセル:入港時のCIF価格(ただし、関税免除を申請するBEVの工場渡し価格の15%を超えないこと)
  • その他、上記以外の輸入原材料、またはフリーゾーン区域外から持ち込まれた原材料:入港時のCIF価格

3.特権を申請するBEVについて、フリーゾーン内で「重要な生産工程」(注2)を経ること。同工程の定義は、タイ工業省工業経済事務局(OIE)または他の関連政府機関の発表に従う。同工程が4段階以上ある場合、工程の半分以上をフリーゾーン内で行い、かつ最終工程をフリーゾーン内で行う必要がある(注3)。

4.申請者は、フリーゾーン内の事業者、またはフリーゾーンから製品を持ち出す者で、かつ物品税局通知に基づくEV支援措置を受ける権利を有する者(3月21日付物品税局告示PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)参照)であること。

5.申請者は、フリーゾーンから持ち出すBEVについて、告示に基づく免税基準・条件を順守していることを証明すること。

6.BEVをフリーゾーンから持ち出す前に、免税特権が認可されていること。

(注1)電気乗用車、電気ピックアップトラック、電気バイク。

(注2)例えば、バッテリー、トラクションモーター、バッテリー管理システムなどの部品製造のほか、BEVの組み立て工程、品質管理など。

(注3)この場合、フリーゾーン外での生産工程の付加価値は、フリーゾーン内で「重要な生産工程」を経た製品の価格に合算することができる。フリーゾーン外での原材料、生産費用などに関する情報を申告する必要がある。フリーゾーン外での「重要な生産工程」は国内で登記された法人により、国内で実施される必要がある。フリーゾーン外での生産工程にかかる適用・検認基準は関税局長により規定される。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ)

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