米中間選挙、結果未確定ながら「共和党の波」は起きずとの評価

(米国)

ニューヨーク発

2022年11月10日

米国で11月8日に行われた連邦議会中間選挙の全体の結果は米東部時間9日夜時点で未確定だが、米主要メディアは選挙前に予想されていた「共和党の波」は起きなかったと評価している。

選挙前の予想では、連邦下院(定数435)は共和党が多数を奪還し、議席数も現在の212議席から20議席以上伸ばすとの見方も出ていた。共和党の多数奪還は引き続き確実とみられているが、最新の開票結果(CNN、米国東部時間9日午後6時30分時点)によると、共和党の当確が206議席、民主党の当確が187議席と、予想ほど共和党が議席数を伸ばせていない。上院共和党の有力議員のリンゼー・グラハム議員(サウスカロライナ州)は8日のNBCニュースに出演し、「共和党の波が起きなかったことは確かだ」と述べている。一方で、上院(定数100)については、共和党が「51議席か52議席となるだろう」との見方を示した。上院はもともと接戦と予想され、最新の開票結果でも、共和党が49議席、民主党が48議席と伯仲している。残るアリゾナ、ジョージア、ネバダの3州の結果にかかっている。このうち、アリゾナとジョージアでは民主党候補がリードしており、ネバダでは共和党候補がリードしている。しかし、ジョージアは州法で1人の候補者が過半数の得票を得なければ、上位2人で決選投票を行うことになっている。現時点の得票率は民主党現職のラファエル・ワーノック候補が49.2%、共和党のハーシェル・ウォーカー候補が48.7%となっている。同州のブラッド・ラッフェンスパーガー州務長官によると、12月6日の決選投票にもつれ込むことが確実視されるという(CNBC11月9日)。よって、いずれの党が上院の多数を押さえるかは、当面未定となる可能性がある。

上院選の結果確定には時間がかかる見込みだが、少なくとも下院の多数党が共和党となることで、バイデン政権と議会民主党にとって、2023年1月以降の2年間の政策運営が難しくなることは必至とみられている。2021年1月からの約2年間は、僅差ではあるものの上下両院とも民主党が多数を占めていたため、「財政調整措置」(注)と呼ばれる法案審議手続きを活用して、民主党議員票のみで「米国救済計画法」(2021年3月16日記事参照)と「インフレ削減法」(2022年8月17日記事参照)という大型の法案を成立させることができた。しかし、2023年1月以降の第118議会では、共和党議員の賛成票も得なければ、その手法も取れなくなる。既に党派対立の激しい米国政治は2023年以降、一層混迷を極めるとみられる。

(注)上院では通常、法案可決には議事妨害(フィリバスター)を抑え込むため、クローチャー(討論終結)決議に必要な60票の賛成が必要となる。ただし、歳出・歳入・財政赤字の変更に関する法案については、財政調整措置(リコンシリエーション)を利用し、過半数での採決が可能。賛否が50票同数の場合、議長を務める副大統領の1票で採決となる。下院はもともと、単純過半数での採決のみ。

(磯部真一)

(米国)

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