ジェトロ、米フロリダ州にビジネスミッション派遣、マイアミとオーランド近郊で注目業界と意見交換

(米国、日本)

米州課

2022年11月24日

ジェトロは11月14~15日、米国フロリダ州に日本企業の投資環境視察ミッションを派遣した。製造会社や物流会社、建設会社などから22人が参加した。ジェトロはこの事業の実施に当たり、同州の投資誘致機関のエンタープライズ・フロリダや、マイアミで同様の役割を担うマイアミデイド郡ビーコン評議会の協力を得た。

「フィナンシャル・タイムズ」紙と「日本経済新聞」が10月に発表した調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、「外国企業が投資しやすい米国の都市ランキング」で、上位11都市のうちフロリダ州から4都市がランクインした。マイアミが1位、オーランドが2位、ジャクソンビルが8位、タンパが11位だった。今回のミッションでは、特にマイアミのビジネス環境について理解を深めるとともに、オーランド近郊にある宇宙開発支援機関「スペース・フロリダ」で宇宙関連ビジネスの最新動向を学んだ。

マイアミ大学で行われたフロリダ州ビジネス環境説明会では、マイアミデイド郡のダニエラ・レビン・カバ郡長や在マイアミ日本総領事館の中井一浩総領事がプレゼンテーションを行った。エンタープライズ・フロリダのTJビラミル上級副社長はフロリダ州の魅力として、イノベーション、中南米やカリブ海へのコネクティビティー、市場規模、港湾と空港のインフラを挙げ、新型コロナウイルス禍でニューヨークやシリコンバレー、ボストンからフロリダ州に、企業が拠点を移す動きが相次いだと指摘した。

写真 (左から)ビラミル氏、レビン・カバ・マイアミデイド郡長、中井マイアミ総領事(ジェトロ撮影)

(左から)ビラミル氏、レビン・カバ・マイアミデイド郡長、中井マイアミ総領事(ジェトロ撮影)

また、マイアミ港は、世界銀行が調査会社IHSマーキットと共同開発した「2021年コンテナ港湾生産性指数(CPPIPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」で北米地域2位に位置付けられているとの紹介があった。新型コロナウイルス流行に伴う大幅な旅客数の減少によりクルーズ産業が大きな打撃を受けた一方、貨物の取扱量が増加したことで、運営を継続できたという。物流コストの上昇に伴い、生産拠点をアジア諸国から中南米諸国に移す動きがみられ、マイアミ港の重要性が高まっているとの言及があった。その後、米国内唯一の民間証券取引所であるマイアミ証券取引所(MAIX)などを視察し、駐マイアミ総領事公邸でのレセプションでミッション参加者と現地投資誘致関係者間の交流が深められた。

写真 マイアミ港(ジェトロ撮影)

マイアミ港(ジェトロ撮影)

オーランド近郊では、スペース・フロリダを訪問した。トニー・ギャノン副社長(研究・イノベーション担当)は多くの民間企業が宇宙関連ビジネスに近年参入していることに触れ、「宇宙産業にとって、中小企業の存在は不可欠だ」と強調した。また、フロリダ州商務副長官のラウラ・ディベラ氏は「日本はサイバーセキュリティー分野で信頼できる国だ」として、両国の企業による連携に期待感を示した。

写真 スペース・フロリダへの訪問(ジェトロ撮影)

スペース・フロリダへの訪問(ジェトロ撮影)

今回のミッションには、フロリダ州の投資誘致に携わる多くの関係者が同行し、参加者が直接つながりを持つ機会となった。

(片岡一生)

(米国、日本)

ビジネス短信 2f79cdff10e21779