自治体による車両乗り入れ規制、取り締まり装置を導入予定

(フランス)

パリ発

2022年11月07日

フランスのエコロジー移行・地域結束省は10月25日、大気汚染物質の濃度が高い都市圏を対象に、車両乗り入れを制限する「低排出モビリティーゾーン(ZFEm)」の導入外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますについて、該当する自治体の代表者を集めた会合外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを開き、同ゾーンのスムーズな導入に向けた新たな支援措置を説明した。

ZFEmは、エンジンの種類や登録年、排出ガス量に応じた6色の排ガスレベル認定シールを車両に貼って分類する制度「クリテール(Crit’Air)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(注、添付資料表参照)を使って汚染度が高い車両の乗り入れを制限するもの。気候変動・レジリエンス強化法により、2024年末までに人口が15万人を超える全ての都市にZFEmの導入を義務付けている。既にパリ、ルーアン、ストラスブール、リヨン、グルノーブル、トゥールーズ、モンペリエなど11都市で実施されており、2025年までにさらに32都市で導入される予定だ。

今回の会合で政府は、乗り入れ規制違反を摘発する自動取り締まり装置を段階的に導入する方針を明らかにした。2024年の設置完了を目指して国が自治体とともに導入を進める。また、関係閣僚が参加するフォローアップ委員会を立ち上げ、半年ごとに実施する。自治体向けの気候変動対策支援基金「グリーン基金」からZFEm関連に少なくとも1億5,000万ユーロを振り分ける。乗り入れ規制違反の罰金を自治体の収入に組み込む。

一般世帯向けの支援としては、ZFEmの居住者や同地区への通勤者を対象に、低公害車への買い替え補助金を1,000ユーロ増額するほか、2023年1月から2年間にわたり、低公害車への買い替え支援として、ゼロ金利ローンの実証実験(2022年5月24日記事参照)を実施する。

政府は乗り入れ規制の適用対象となる車両の種類(大型トラック、商用車、乗用車)や時間帯、区画、特例措置などの規制内容を決める権限は各自治体にあることを確認すると同時に、ワーキンググループを近く立ち上げ、ZFEmごとに異なる規制(特に商用車向け規制)内容の調和に向けて協議する方針を示した(エコロジー移行・地域結束省の10月25日付資料PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。

(注)シールは政府の専用サイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで注文・購入する。

(山崎あき)

(フランス)

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