10月のカナダ消費者物価指数、9月に続き前年同月比6.9%上昇

(カナダ)

トロント発

2022年11月18日

カナダ統計局が11月16日に発表した10月の消費者物価指数(CPI)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、前年同月比で6.9%上昇と、9月の上昇率(2022年10月20日記事参照)と同じだった。ガソリンや住宅ローン金利の上昇幅が大きかったが、食料品の上昇幅は鈍化し、上昇率は抑えられた(添付資料表参照)。

統計局によると、ガソリン価格上昇の要因は、OPECプラス(注)による今後の原油減産の発表(2022年10月6日記事参照)や、カナダ・ドル安だ。ガソリンは前月比で9月の7.4%減から一転、10月は9.2%増となった。前年同月比では9月の13.2%上昇に続き、10月は17.8%増となっている。

住居関連は9月の前年同月比6.8%増に続いて、10月は6.9%だった。このうち住宅ローン金利は、中央銀行の政策金利引き上げに伴って9月の同8.3%増から10月には11.4%増と、1991年2月(11.7%増)以来の高い上昇率となった。

食料品は、9月の前年同月比10.3%に比べて、10月は10.1%増と上昇率は鈍化した。ただし、このうち家庭用食品は同11.0%増と、11カ月連続で全品目CPI上昇率を上回る傾向を続けている。

発表を受けて、モントリオール銀行(BMO)のマネジングディレクター兼チーフエコノミストのダグラス・ポーター氏は「カナダ中央銀行にとっては、6.9%は第4四半期(10~12月)のインフレ率予想(直近の予想は7.1%)をやや下回るもので、次回の利上げは0.25~0.5ポイントの幅で議論が続くことになる。コアインフレ率の大半の指標が5%前後の範囲にとどまっていることから、基調的なインフレ率を下げるには、金利は(現在の3.75%から)最終的に4%を超える必要があると引き続き考えている」とコメントした。なお、BMOの利上げ見通しは0.5ポイントとしていが、現在見直し中としている(BMOエコノファクツ11月16日)。

次回の政策金利発表は12月7日に予定されている。

(注)サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)などOPEC加盟国と、ロシア、メキシコなど非加盟の産油国で構成する。

(飯田洋子)

(カナダ)

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