アジア安保会議でバイデン米政権にとってインド太平洋地域の重視性説明、オースティン国防長官

(米国、中国、日本、韓国、北朝鮮、ミャンマー、シンガポール、タイ、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、フィリピン、ベトナム)

米州課

2022年06月14日

米国バイデン政権のロイド・オースティン国防長官は6月11日、シンガポールで開催された英国の国際戦略研究所(IISS)主催のアジア安全保障会議(シャングリラ会合)に出席した。

米国防総省の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、オースティン国防長官はインド太平洋地域について、新型コロナウイルスのパンデミックや気候変動、北朝鮮による核の脅威やミャンマー政府による人権侵害のほか、大国による小国への威圧など、諸問題に直面していると指摘し、「一方的な現状変更に反対するという共通のコミットメントを再確認しなければならない」と会議参加各国・地域に呼び掛け、中国を牽制した。また「インド太平洋地域ほど21世紀の世界の道筋を決定する地域はない、インド太平洋地域は米国の国家戦略の中心」と強調した。

具体的には、インド太平洋地域に米軍兵士が30万人以上駐留していることや、2023年度予算としてバイデン政権が米軍の能力向上を目的とした基金「太平洋抑止イニシアチブ」(PDI:Pacific Deterrence Initiative)に61億ドルを積み上げたことを例示した。宇宙領域やサイバー領域のイノベーション、人工知能(AI)や極超音速技術などの新興技術は安全保障の観点からも重要とした上で、5月にバイデン大統領の主導により発足したインド太平洋経済枠組み(IPEF)構想に言及し、パートナー国と新興技術の研究成果などを共有するためにもサプライチェーンの安全性・強靭(きょうじん)性を確保することの重要性を訴えた(注)。

オースティン国防長官は同会議前後で東南アジア各国首脳や国防担当相と相次いで会談した。6月13日にはタイのプラユット・チャンオーチャー首相(兼国防相)と会談し、米タイ同盟強化について協議したほか、宇宙領域などサイバー領域など新たな技術分野での協力について協議した。また、11日には日本の岸信夫防衛相、韓国の李鍾燮国防部長官と日中韓3カ国防衛相会談を開催したほか、シンガポールのリー・シェンロン首相と会談した。10日にはブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム各国の国防相と会談を行うなど、米国のインド太平洋地域へのコミットメントの深さを示した。

なお、オースティン米国防長官は10日に中国の魏鳳和・国務委員兼国防相とシンガポールで会談したほか、13日にはサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)がルクセンブルクで中国の楊潔篪・共産党中央政治局委員と会談(2022年6月14日記事参照)している。

(葛西泰介)

(米国、中国、日本、韓国、北朝鮮、ミャンマー、シンガポール、タイ、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、フィリピン、ベトナム)

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