公正競争・知的財産保護庁が改正アウトソーシング法の差し止め命令を発令

(ペルー)

リマ発

2022年10月20日

ペルー公正競争・知的財産保護庁(INDECOPI)は1018日、労働省雇用促進省(MTPE)が20222月に公布した企業における中核業務の外部委託を禁ずる改正アウトソーシング法(大統領令第001-2022-TR外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます2022年8月19日記事参照)の差し止め命令を、同庁決議第0355-2022/SEL-INDECOPI号を通じて発令した。差し止め請求は鉱山建設会社のコサピ・ミネリア(COSAPI MINERÍA)から出されていたもので、INDECOPI傘下の行政障壁撤廃特別室(SEL)が、最終的に改正アウトソーシング法には違法な行政上の障壁(注)があると判断。アウトソーシング法の監督を行うペルー労働監督庁(SUNAFIL)による全ての査察行為の即時停止と新たな査察の実施の禁止を命じた。INDECOPIは同庁プレスリリースで、今回の差し止め命令は暫定措置で、今後120日以内にSELの最終判断を発表するとしている。有力紙「ヘスティオン」紙によれば、改正アウトソーシング法に対する経済界からの訴訟は800件以上に上るとされており、今回の差し止め命令はこれら企業側の訴訟に今後、有利に働くとみられている。

MTPEは同日付の同省プレスリリースで、あらためてアウトソーシング法改正の目的が「外部委託先における労働者の基本的権利と平等な賃金の権利保護のほか、安定的かつ安全な雇用条件を守ること」にあるとして、今回のINDECOPIによる暫定差し止め命令に対して遺憾の意を表明した。また、今回の命令が暫定措置であり、改正アウトソーシング法の存続自体には影響しないとしており、同法による行政上の障壁に関わる違法性を全面的に否定した。

(注)経済活動実行に影響する行政機関による要求、制限、禁止措置で、市場において競争力を制限する懸念のあるもの。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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