タイ税関、航空貨物や郵送品にかかる輸入関税を周知

(タイ)

バンコク発

2022年10月17日

タイ税関は9月29日、航空貨物や郵送品といった小口貨物の輸入にかかるガイドラインをウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます上に掲載した。タイへの小口貨物輸送の増加に伴い、想定外の関税が発生するケースが増えているとみられ、ジェトロにも「古着や玩具などをタイへ送ったところ、想定外の関税を請求された」といった相談が複数寄せられている。

ガイドラインによると、CIF価格(FOB価格+運賃+保険料)が1,500バーツ(約5,850円、1バーツ=約3.9円)を超えない物品であれば、輸入関税が免除される。一方、当該輸入品は、通関時に監視カメラによる録画の下、X線検査が行われる。

FOB価格が1,500バーツより高く、4万バーツ以下の物品は、輸入関税賦課の対象となる。これらの貨物は物理的な検査が行われる。監視カメラによる録画の下、権限を付与された貨物オペレーターまたは郵便局員により開封され、検査された後、封緘(ふうかん)される。

輸入関税は、CIF価格×輸入税率で計算される。輸入税率の例としては、腕時計が5%、玩具やギターが10%、ハンドバッグが20%、靴や衣類が30%など。輸入関税に加えて、付加価値税(VAT)が課税され、CIF価格+輸入関税の合計額の7%が徴税される。

例えば、CIF価格が1万バーツの女性用ハンドバッグを輸入する場合、輸入関税が「1万バーツ×20%=2,000バーツ」、VATが「(1万バーツ+2,000バーツ)×7%=840バーツ」となり、合計で2,840バーツを税金として支払うこととなる。

FOB価格が4万バーツを超える場合、荷受人は書類を準備し、タイ税関の電子システム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを通じ、輸入申告書を提出する必要がある。

なお、タイへの荷物の発送にあたっては、電子たばこ、シーシャ(水たばこ)、知的財産権侵害品、ポルノ関連品、保護対象野生動物、麻薬などの輸入禁止品目に該当しないか留意する必要がある。制限品目(事前の許可取得が必要な物品)については、荷受人が必要書類を準備し、タイの税関電子システムを通じて輸入申告を行うことを条件に、輸入が許可される。具体的には、以下の当局から許可を得る必要がある。

  • 農業局(DOA):植物など
  • 畜産振興局(DLD)、水産局(DOF):生きた動物、水生生物など
  • 食品医薬品委員会事務局(FDA):医薬品、化粧品、医療機器、食品、ハーブなど
  • 国家放送電気通信委員会(NBTC):ドローン、無線通信機器など

税関職員に相談したい場合、(1)スワンナプーム国際空港カーゴクリアランス税関事務所(電話:02-134-3636)、(2)バンコク港税関支署郵便局サービス課(電話:02-575-1002)が窓口となる。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ)

ビジネス短信 fe7fde394931afbb