8月の小売売上高は2カ月ぶりに前年同月比でマイナス
(香港)
香港発
2022年10月12日
香港特別行政区政府(以下、香港政府)統計処は9月30日、8月の小売売上高(速報値)を前年同月比0.1%減の285億6,700万香港ドル(約5,428億円、1香港ドル=約19円)と発表した(添付資料図参照)。2カ月ぶりに前年同月比でマイナスとなった。
同月の小売売上高のうち、オンライン販売額は前年同月比で21.3%増の26億100万香港ドルで、全体の9.1%を占めた。
業態および品目別にみると、増加幅が最も大きかった主な品目は「燃料」で、前年同月比7.2%増の10億7,700万香港ドル。「耐久消費財」も7.0%増の53億2,400香港ドルと増加した。一方、「百貨店」は2022年5月以降4カ月連続で減少しており、8月は11.3%減の25億1,200万香港ドルだった(添付資料表参照)。
香港政府報道官は、小売売上高が減少した要因について「比較対象となる前年同月の基数が高かったため」と指摘。今後の見通しについては、「域内の足元での新型コロナウイルス感染緩和状況や労働市場の改善、(2022年10月から配布が開始された)2回目の電子消費券が短期的に消費マインドと需要を下支えするだろう。しかし、金融引き締めが制約要因となりうる可能性があり、社会全体が政府と協同して感染の抑制に努め、消費活動の回復につながるような機会の創出が重要だ」とコメントしている。
恒生銀行の薛俊昇チーフエコノミストは「10月1日から配布開始となった電子消費券に加え、長期休暇や外食時の規制の緩和により、10月の市況は徐々に改善していくだろう」と述べている(「香港経済日報」2022年10月1日)。
(松浦広子)
(香港)
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