ブハリ大統領、国会に2023年度予算案を提出
(ナイジェリア)
ラゴス発
2022年10月17日
ナイジェリアのムハンマド・ブハリ大統領は10月6日、国会に2023年度(2023年1~12月)予算案を提出した。予算案によると、連邦政府への歳入総額は11兆9,000億ナイラ(約4兆460億円、1ナイラ=約0.34円)で、うち原油による収入が1兆9,200億ナイラ、石油外収入が2兆4,300億ナイラ、連保政府の独立収入が2兆2,100億ナイラを占めている。原油価格のベンチマークは1バレル70ドル、産油量は日量169万バレル、為替レートは1ドル=435.6ナイラ、実質GDP成長率は3.75%、インフレ率は17.2%に設定されている。
他方、歳出総額は20兆5,100億ナイラで、その内訳は経常的支出が8兆2,700億ナイラ、資本的支出が5兆3,500億ナイラ、人件費が4兆9,900億ナイラなどと見積もられている。2022年度当初予算案の17兆1,300億ナイラを約20%上回っている。また、債務返済に6兆3,100億ナイラが充てられ、総額10兆7,800億ナイラの財政赤字が発生すると見込まれている。ブハリ大統領はこの財政赤字を補填(ほてん)するため、8兆8,000億ナイラを新規借入すると発表している。
今回の予算案発表について特に懸念の声があがっているのは、負債残高のさらなる増加と、産油量のベンチマークについてだ。ナイジェリアの債務残高は2022年3月時点で41兆6,000億ナイラと過去最高を記録している一方、GDPに占める税収比率は6.3%と世界でも最底水準だ。原油生産量は、ベンチマークが日量169万バレルであるのに対し、2022年8月の平均生産量は同約97万バレルと、大きく下回っている。日量約40万バレルもの原油が盗難被害にあっていることが主な原因といわれている。
(谷波拓真)
(ナイジェリア)
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