米センプラとアバングリッド、グリーン水素・アンモニアプロジェクト開発計画を発表

(米国)

ヒューストン発

2022年10月13日

米国のエネルギー企業センプラの子会社センプラ・インフラストラクチャー(本社:カリフォルニア州サンディエゴ、以下センプラ)は10月12日、米国電力大手アバングリッド(本社:コネティカット州オレンジ)と、米国でのグリーン水素(注1)とアンモニア(注2)プロジェクトの共同開発に向けた基本合意書(HOA)を締結したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

基本合意書は、米国や外国の顧客のエネルギーと脱炭素化のニーズに応えるため、両社が大規模なグリーン水素プロジェクトを特定して評価、開発する枠組みを提供するものとされている。アバングリッドはセンプラのクリーン電力、エネルギーネットワーク、液化天然ガス(LNG)、ネットゼロソリューションに関するプロジェクト開発や商業的な知見を補完する役割を担うことができるとしている。

センプラのジャスティン・バード最高経営責任者(CEO)は「クリーンな水素とアンモニアは、米国や世界市場のさまざまな産業で効果的な脱炭素ソリューションとなり得る。われわれはアバングリッドと協力し、世界のエネルギー転換における水素の役割を推進するために、大規模なグリーン水素・アンモニアプロジェクトを開発することをうれしく思う」と述べた。

センプラは米国で脱炭素化の取り組みを進めており、5月にルイジアナ州キャメロンLNGプラント近接地での二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)事業について、フランスのトタルエナジーズや三井物産、三菱商事と参加契約を締結したと発表した(2022年5月26日記事参照)。また7月には、米コノコフィリップスと、LNGとCCSプロジェクトでHOAを締結したと発表した(2022年7月22日記事参照)。

(注1)再生可能エネルギーを利用して、水を電気分解することで製造される水素。製造工程でCO2を発生させないため、環境に優しいエネルギーとされる。

(注2)再生可能エネルギー電力、水、空気を原料とし、製造時にCO2を排出しないプロセスで製造されるアンモニア。

(沖本憲司)

(米国)

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