アスタナでアジア相互協力信頼醸成措置会議サミット開催

(カザフスタン、アゼルバイジャン、イラク、イラン、ウズベキスタン、カタール、キルギス、トルコ、パレスチナ、ベトナム、ロシア、中国、タジキスタン、ベラルーシ)

タシケント発

2022年10月20日

カザフスタンの首都アスタナで10月12~13日に、アジア相互協力信頼醸成措置会議(CICA)第6回首脳会議が開催された(大統領府ウェブサイト10月13日)。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領、トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領、中国の王岐山国家副主席、ベトナムのボ・ティ・アイン・スアン副主席など加盟国12カ国の首脳らが出席した。

10月13日に行われた全体会合で、主催国カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領は、発足30年を迎えた同会議の運営組織を国際機関として格上げするため、CICA評議会を設立し、域内の金融、気候変動問題、食料安全保障、人的資源開発の分野での連携と協力を強化することを提案した。

会議では各国の首脳の発言があり、プーチン大統領は西側諸国が支配する国際金融システムから脱却を呼びかける一幕もあった。ウクライナ紛争について触れたのは即時停戦を呼びかけたエルドアン大統領だけだった(フォーブス・カザフスタン10月13日)。

今回のサミットでは、クウェートの加盟、2021年にオブザーバーとなったトルクメニスタンの初参加、ユーラシア経済連合(EAEU)とのパートナーシップ締結、CICA基金の設立などの成果があった一方、CICA評議会設立は最終的に見送られた。サミットの終わりには、アジア地域の安全と繁栄、国連憲章に従った紛争の平和的解決と、共通の課題に対する共同解決を図るため会議の組織的、制度的基盤を強化していく指針を盛り込んだアスタナ声明が採択されている(大統領ウェブサイト10月13日)。

CICAは、ヌルスルタン・ナザルバエフ前大統領のイニシアチブで1993年に発足した。アジアの平和と安定、安全保障を確保するための協力関係を深めることを目的とし、西アジア、中央アジア、南アジア、東アジアとロシアを含む加盟国28カ国からなる国際会議で、日本、米国など9カ国のほか、国連、欧州安全保障協力機構(OSCE)など5つの国際機関がオブザーバーとなっている。2年に1度、首脳会議と外相会議が交互に開催され、加盟国の優先課題の設定と採択が行われる(CICAウェブサイト)。

(増島繁延)

(カザフスタン、アゼルバイジャン、イラク、イラン、ウズベキスタン、カタール、キルギス、トルコ、パレスチナ、ベトナム、ロシア、中国、タジキスタン、ベラルーシ)

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