JX金属、米アリゾナ州で新設工場の起工式開催

(米国、日本)

ロサンゼルス発

2022年10月18日

JX金属の米国法人JXニッポンマインニング&メタルズUSAは10月5日、米国アリゾナ州メサで、半導体用スパッタリングターゲット事業の強化と新規事業展開のために建設する工場の起工式を行った。同社の発表によると、新たに建設する工場の生産量は、近隣のチャンドラーに位置する既存工場の2倍以上となる見込みで、2024年初めに稼働を開始し、2025年までに100人以上を雇用する予定となっている。新工場は将来的に、同社の米国での先端材料事業の中心となり、新規事業開発のインキュベーターとしての活用も検討している。

起工式に参加したメサ市のジョン・ジャイルズ市長は「JX金属によるメサへの投資とコミットメントは、先進的なメーカーがわれわれの街でビジネスを成長させたいと願っていることを強く示すものだ」と述べた。また、アリゾナ商業公社のサンドラ・ワトソン社長兼最高経営責任者(CEO)は「本日の起工式は、アリゾナ州が半導体産業にとって最高の魅力を持っていることを示す画期的な出来事だ」と述べた。

マリコパ自治体協会によると、アリゾナ州フェニックス都市圏には2017年時点で既に53カ国から1,200社の外国企業が進出しており、同州のアジア系進出企業による雇用数をみると、上位10社のうち8社が日系企業もしくは日本と関連のある企業となっている。

同州では、台湾積体電路製造(TSMC)やインテルといった世界大手の半導体企業が2024年の操業開始を目指して新たな工場の建設を進めており、半導体関連の部素材や装置を提供するサプライヤーによる投資も相次いでいる(2022年6月28日付地域・分析レポート参照)。こうした動向も踏まえ、JX金属は新たな工場の建設に踏み切ったとみられる。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国、日本)

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