米CDC、サル痘死者6人と発表、各州では病名変更の動きも
(米国)
ニューヨーク発
2022年10月27日
米国疾病予防管理センター(CDC)のサル痘特設ウェブサイトによると、10月26日までに米国内でサル痘による死者が6人確認されている。CDCは詳細を発表していないが、米メディアCNNの調査(10月23日)によると、ニューヨーク(NY)市で2人、シカゴ市で2人、ネバダ州で1人、メリーランド州で1人だという。その他、8月にテキサス州で1人、9月にはロサンゼルス市で1人、オハイオ州で1人の死亡が発表された。いずれも免疫不全や合併症などが確認されており、上記CDC発表の6人には含まれていない。
国内の感染者数は10月26日時点で合計2万8,087人、州別ではカリフォルニア州が最高の5,372人、次いでNY州4,081人、フロリダ州2,697人、テキサス州2,677人、ジョージア州1,899人となっている。NY州のうちNY市ではピーク時の7月25日に1日で97人の感染が確認されたが、10月18日、20~22日は新規感染者数が0人となっている。NY市ではまだ収束に関する発表はされていないが、サンフランシスコ市では10月27日をもってサル痘の緊急事態宣言を終了する(2022年10月26日記事参照)。
また「サル痘」という名称については、既に社会的に弱い立場にいる感染者にネガティブな印象を付けることになるとして、NY市保健・精神衛生局のアシュウィン・バサン局長は7月26日、世界保健機関(WHO)に対し、6月に既に対応すると約束したサル痘の改名を急ぐよう要請していた。その間、NY市保健局はサル痘を「MPV」や「サル痘(MPV)」と表記し、ミシガン、イリノイ、ワシントン州なども同様の表記をしている。また、カリフォルニア、ペンシルベニア、ミネソタ州などは「MPX」、ニュージャージー、バーモント、オレゴン州などは「hMPXV」としている。WHOは8月12日、同感染症の変異株をClade IとCladeIIと命名したと発表したが、「サル痘」の名称自体はまだ変更していない。
(吉田奈津絵)
(米国)
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