スウェーデン、新首相を選出、18日に組閣へ

(スウェーデン)

ロンドン発

2022年10月18日

スウェーデン議会は10月17日、穏健党党首のウルフ・クリステション氏を新首相に任命することを承認したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。総選挙でクリステション氏を首相候補として支持した穏健党、スウェーデン民主党、キリスト教民主党、自由党の右派連合の議員全員が任命に賛成し、賛成176票、反対173票となった。

同国では9月11日に実施された総選挙(2022年9月16日記事参照)で右派連合が、マグダレーナ・アンデション首相(社会民主労働党)を支持する中央党、左翼党、緑の党の中道・左派連合に僅差で勝利。この選挙結果を受けアンデション首相は9月15日に自身の免職を要請していた。

クリステション氏は10月18日に首相に就任し、新たな閣僚を発表する予定だ(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。新政権は穏健党のほか、キリスト教民主党と自由党との連立になるとみられ、総選挙で第2党となったスウェーデン民主党は閣外協力すると複数紙が報じている。ただし、新政権の政策はスウェーデン民主党にも配慮したものとなり、重大な集団犯罪への罰則強化や、原子力発電所の建設拡大のほか、難民受け入れ数の削減や国際援助の対GNI(国民総所得)比目標の撤回などが含まれる予定とされている(「ポリティコ」10月14日)。

ブルームバーグ(10月17日)によると、インフレによる家計の圧迫に加え、スウェーデン国立銀行(中央銀行)の利上げ(2022年9月26日記事参照)で債務者の負担が拡大する状況下、2023年の歳出計画に合意することが新政権の最初の仕事となるとした。スウェーデンの公的債務負担は低く、脆弱(ぜいじゃく)な家庭への支援余力は残されているものの、クリステション氏は財政規律を尊重し、現状では拡張的な政策はとらないとブルームバーグは述べている。

(島村英莉、篠崎美佐)

(スウェーデン)

ビジネス短信 d1ec479d48b1991a