ボリビア最大の国際見本市、大統領も参加して3年ぶりに完全に対面形式で

(ボリビア)

リマ発

2022年10月13日

ボリビア最大の国際総合見本市「第46回EXPOCRUZ」が9月16日から25日にかけて、サンタクルス県で開催された。開会式にはルイス・アルセ大統領も出席した。主催者のサンタクルス見本市協会(FEXPOCRUZ、注1)によると、2021年の出展者アンケートで80%が完全対面開催を希望したため、2022年は3年ぶりに完全な対面形式での開催が実現した。開催10日間の入場者数は前年比2.3%増(注2)の44万5,673人に上り、ミッション団を派遣した国は21カ国と、前年の倍以上を記録した。参加企業数は前年比14.4%増の2,011社(国内1,066社、海外945社)で、会期中の商談成約金額(見込み)も前年比38.2%増の1億9,127万ドルに上った(その他の見本市データは添付資料表参照)。

2020年は新型コロナウイルスによるパンデミックでEXPOCRUZは初めてオンライン開催、2021年はオンラインと対面形式のハイブリッド形式で開催された。2021年の見本市会場ではマスク着用や検温、会場全体と各パビリオンでの入場制限、各所での消毒、出入り口の分別、ブース間の距離5メートルの確保(例年より30%出展スペースが減少)などの各種感染防止対策が施された。今回のEXPOCRUZでは、消毒や会場入場時の検温と出入り口を分けたこと以外は、ボリビア政府の方針に沿ってマスクの着用も任意とし、ブース間の距離も通常に戻した。そのため、国外からのミッションも増え、5年前から出展を取りやめていた出展者が久しぶりに出展するなど、全体に直接出展の気運が高まった様子だと、FEXPOCRUZのリチャード・カルサディージャ広報課長は説明している。

会場内では企業の出展のほかにも、テレビ局が特設ブースで生放送を行ったり、子供招待日を設けたり、アーティストによるコンサートが開催されたりするなど、見本市を超えた取り組みにより、多くの一般客も来場した。

ビジネス面では、サンタクルス商工サービス観光会議所(CAINCO)主導でオンラインの事前マッチングシステムで商談が組まれた(商談件数8,790件)。商談は見本市会場とは別に設けた会場で行われた。

その他、今回の目玉イベントとして、ボリビアゼビュー牛生産者協会(ASOCEBÚ)主催で「第1回国際ゼビュー牛生産者大会」が初めて開催され、米国、メキシコ、グアテマラ、パナマ、コロンビア、エクアドル、ブラジル、アルゼンチンなどから生産者の参加を得て見本市に花を添えた。

写真 トヨタ自動車代理店ブース(ジェトロ撮影)

トヨタ自動車代理店ブース(ジェトロ撮影)

写真 医療機器代理店ブース(ジェトロ撮影)

医療機器代理店ブース(ジェトロ撮影)

写真 品評会のゼビュー牛(ジェトロ撮影)

品評会のゼビュー牛(ジェトロ撮影)

写真 リチャード・カルサディージャFEXPOCRUZ広報課長と筆者(ジェトロ撮影)

リチャード・カルサディージャFEXPOCRUZ広報課長と筆者(ジェトロ撮影)

(注1)EXPOCRUZの主催者「サンタクルス展示会協会(FEXPOCRUZ)」は東部農牧会議所(CAO)とサンタクルス商工サービス観光会議所(CAINCO)の間で創設され、60年の歴史を持ち、10の独自見本市を運営する非営利団体。米州国際見本市協会(AFIDA)と国際見本市連盟(UFI)のメンバーでもある。

(注2)2021年はオンラインと直接来場の並行開催で実施。43万5,632人の参加者のうちオンライン参加は4万7,342人だった。

(設楽隆裕)

(ボリビア)

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