中銀が0.25ポイント追加利上げ、6カ月連続の引き上げ

(オーストラリア)

シドニー発

2022年10月06日

オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は10月4日、政策金利を0.25ポイント引き上げ、2.6%とすることを決定した。2022年5月から6カ月連続の利上げ(2022年9月9日)で、政策金利は2013年8月(2.5%)を上回る水準となった。

RBAは今回の利上げについて、インフレ率を目標圏内(2~3%)に近づけるために実施したと説明し、今後数カ月にわたり政策金利の引き上げを行う可能性を示唆した。RBAのフィリップ・ロウ総裁は「多くの国と同様に、オーストラリアのインフレ率は非常に高い状況にある。高いインフレ水準について多くは世界的な要因によるものだが、国内需要の高さも要因だ」と述べた。

オーストラリアでは、2022年第2四半期(4~6月)の消費者物価指数(CPI)が前年同期比で6.1%上昇した(2022年8月2日記事参照)。RBAの予測では、2022年のCPI上昇率は前年比7.75%としている。ロウ総裁は今後、世界的な供給問題が解決し、一部のコモディティー価格が落ち着くこと、現在実施している政策金利の引き上げの影響などでインフレ水準が緩やかになることを予測し、2023年のCPI上昇率は4%を少し上回る程度、2024年は3%前後とした。

ロウ総裁はまた、「オーストラリア経済は堅調に成長を続けており、好調な貿易により国民所得が押し上げられている。労働市場は逼迫しており、人手不足により多くの企業にとって人材の雇用が困難な状況が続いている。近年低水準だった賃金上昇幅は回復しているが、インフレが起きている他の先進国の水準と比べるとまだ低い」と述べ、労働コストの上昇や企業の価格設定行動について、今後も注視するとした。

(青島春枝)

(オーストラリア)

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