バイデン米政権、対ロ制裁に関する勧告発表

(米国、ロシア、ウクライナ)

ニューヨーク発

2022年10月17日

米国のバイデン政権は10月14日、ウクライナ侵攻を理由にロシアに制裁を科している33カ国の代表を招いて会議を開催した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。米国からはワリー・アデエモ財務副長官、ドン・グレーブス商務副長官、モーガン・ミュアー国家情報副長官が参加した。これに合わせて、財務省外国資産管理局(OFAC)と商務省産業安全保障局(BIS)は対ロ制裁に関する共同の勧告を発表した(財務省PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)商務省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

米国は会議の中で、各国と連携して科してきた制裁がどれだけロシアの軍事行動や防衛装備品の調達を混乱させてきたかなどに関する情報と分析結果を共有した。グレーブス商務副長官とアデエモ財務副長官は会議の冒頭、38カ国による厳格な輸出管理によって、ロシアが半導体などのハイテク製品を外国から調達できなくなり、マイクロエレクトロニクス関連の2大企業が一時的に生産を停止し、精密機器や極超音速弾頭ミサイルの生産がほぼ停止しているなどの成果を強調した。制裁が発動されて以降、ロシアによる半導体輸入は前年同期と比べて70%近く減少し、民生用の先端マイクロチップが軍事用に振り向けられていることから、自動車の生産台数も前年の4分の1になっているという。各国は引き続きロシアの責任を追及し、制裁の迂回(うかい)防止を進めていくことを再確認したほか、ロシアの軍産複合体をさらに弱体化させるための追加的な措置についても協議した。

OFACとBISが共同で発表した勧告は、主にこれまで双方がロシアに科してきた制裁措置と成果を振り返る内容となっている。一方で、制裁措置を迂回する者や、制裁対象または制裁対象となり得る行動に加担する者に対し、ロシア国内外を問わず、引き続き法令を執行していくと強調している。また、OFACは対ロ制裁に関するよくある質問(FAQ)の1092番目外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを新たに設け、非米国企業でもロシアに武器や軍需品を提供したり、ロシアの軍産複合体を支援したりした場合、制裁対象になり得る点を明確にした。

米国政府が2022年2月以降に発動した対ロシア・ベラルーシ制裁関連については、添付資料を参照。

(磯部真一)

(米国、ロシア、ウクライナ)

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