9月の米向け海上コンテナは前年同月比9.6%減、日本発は母船積み地ベースで減少、荷受け地ベースでは増加

(米国、日本、中国)

米州課

2022年10月13日

米国調査会社デカルト・データマインが発表した、米国向け海上コンテナの輸送量に係る9月分のデータによると(注1)、前年同月比9.6%減の222万3,148TEU(1TEU=20フィートコンテナ換算)で、アジア上位10カ国・地域からの海上コンテナは12.6%減の154万6,061TEUだった(添付資料表1参照)。8月(2022年9月16日記事参照)と比べても、米国向け海上コンテナ全体で11.9%減少、アジア上位10カ国・地域からの海上コンテナで13.9%減少した。

アジアの国・地域別で、米国向け海上コンテナの輸送量をみると、上位から中国、韓国、ベトナム、台湾、インド、シンガポールの順となり、前年同月からシンガポールとインドの順位が入れ替わった。中国を出港地(注2)とする海上コンテナは前年同月比21.0%減の89万6,988TEUで、米国向け全体に占める割合は40.3%(前年同月差:5.8ポイント減)となった。アジア上位10カ国・地域が米国向け全体に占める割合は、2.4ポイント減の69.5%だった。他方、韓国発の海上コンテナは7.2%増加(16万4,983TEU)し、米国向け全体に占める割合は7.4%(1.2ポイント増)となった。そのほか、ベトナム(32.1%増、15万3,634TEU)やインド(11.6%増、7万2,468TEU)発の海上コンテナで大きな伸びを記録する一方、香港(44.8%減、2万5,181TEU)、タイ(15.9%減、3万9,530TEU)、台湾(11.4%減、7万5,291TEU)は大きく減少した。

中国と日本発の海上コンテナの内訳を荷受け地ベースで確認すると、中国発は全体で前年同月比22.5%減の86万9,726TEUだった。HS上位2桁をみると(添付資料表2参照)、輸送量最大の家具、寝具(HS94類)が前年同月比29.7%減(寄与度:マイナス4.8ポイント)の12万6,412TEUだった。2番目に輸送量の多い玩具、遊戯用具(HS95類)は26.6%減の10万9,208TEU(マイナス3.5ポイント)だった。そのほかの上位10品目のうち、前年同月よりも輸送量が増えた品目はなく、いずれも2桁減と大きく減少した。

日本発は、全体で前年同月比5.4%増の4万8,050TEUだった。日本は母船積み地ベースでみると前年同月比8.1%減だったが、荷受け地ベースでみると輸送量は増えている。HS上位2桁では、最上位3品目に当たる一般機械(1万895TEU)、自動車・同部品(HS87類、1万407TEU)、ゴム(HS40類、6,031TEU)がそれぞれ4.2%(寄与度:プラス1.0ポイント)、11.0%(プラス2.3ポイント)、10.9%(プラス1.3ポイント)増加しており、全体を押し上げる要因となった。一方、電気機器(HS85類、2,759TEU、9.4%減)、有機化学品(HS29類、835TEU、4.9%減)、プラスチック(HS39類、4,363TEU、3.5%減)は、前年同月比で減少した。

(注1)データは随時更新される。本記事は10月11日にダウンロードしたデータに基づく。

(注2)母船積み地ベースであることを意味する。

(片岡一生)

(米国、日本、中国)

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