米ニューヨーク市に大規模ライフサイエンスハブ建設の計画発表

(米国)

ニューヨーク発

2022年10月19日

米国ニューヨーク(NY)州のキャシー・ホークル知事(民主党)とNY市のエリック・アダムス市長(民主党)は1013日、市内のライフサイエンス産業を拡大し、雇用を増やす目的で、マンハッタンに州内初となる雇用・教育イノベーションハブ、サイエンス・パーク・アンド・リサーチ・キャンパス(SPARC)キップスベイを建設する計画を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。NY州、NY市、民間のライフサイエンス企業が総額16億ドルを投資し、2026年の建設開始、2031年に完成予定となっている。

ニューヨーク市立大学(CUNY)との提携によって建設するSPARCキップスベイでは、キャンパス内の商業用研究所での2,000人に及ぶ高収入の無期雇用を含む合計1万人の雇用を創出する予定だとしている。

また、既にライフサイエンスのエコシステムが形成されているキップスベイ地区では、過去15年間に20億ドル以上が投資されたとし、キップスベイにあるCUNYハンター校のキャンパスも最先端の教育・商業施設に変容させるとしている。これにより、約14万平方メートル以上に及ぶ広範囲にわたる市街が新しく生まれ変わり、歩道橋も新設され、現在のキップスベイのライフサイエンス拠点が2倍以上に拡大されるとした。この地域では今後、スタートアップ企業なども引きつけ、ヘルスケアやライフサイエンス分野でさらなる雇用や、今後30年間で総額250億ドルの経済効果を生み出すことが見込まれるとしている。

CUNYが提供する公衆衛生と医学研究に関する教育プログラムは、新型コロナ禍で救援隊員やワクチン開発研究者から影響を受けた多くの若者を含むNY市民にとってアクセスしやすくし、現在伸び続けているライフサイエンス、ヘルスケア、公衆衛生の分野のキャリアに直結させるとした。ホークル知事はこのプロジェクトで、命を救い、ニューヨークを未来の変革的な分野の本拠地にすることを同時に達成すると述べた。

NY市は今後1年の間にマスタープランを作成し、インフラの必要性や広場のデザイン、建築規制や権利の変更などを特定していくとしている。

(吉田奈津絵)

(米国)

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