カナダ沿岸警備隊、バイオディーゼル燃料のテスト運用とハイブリッド電気船の建造請負業者の公募開始

(カナダ)

米州課

2022年10月06日

カナダ沿岸警備隊(Canadian Coast GuardCCG)は104日、温室効果ガス(GHG)排出量削減に向け、バイオディーゼル燃料を使用するテストプロジェクト、およびカナダ政府初のハイブリッド電気船の建造請負業者の公募開始を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

CCGは、カナダ政府の2030年および2050年のGHG排出量削減目標に沿って対策を打ち出しており、10月初め、運用する船舶の1隻において、政府機関としては初めて、バイオディーゼルを20%ブレンドした燃料の試用を開始した。CCGは船舶用燃料プロバイダーのスターリング・フューエル(本社:オンタリオ州ウィンザー)と、公募入札によりバイオディーゼルの購買契約を締結していた。今後数カ月にわたり、さまざまなブレンド比をテストし、より高いバイオディーゼル・ブレンド比での運用を目指す。

CCGは、ディーゼル燃料の消費削減への取り組みとして、バッテリーエネルギー貯蔵システムを搭載した、新しいハイブリッド電気近岸漁業調査船(NSFRV)の建造計画も進めている。今回、バイオディーゼル燃料のテストプロジェクトに加え、当該船舶の建造を担当するカナダ国内業者の公募を開始したことも発表した(11月28日締め切り)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。船舶設計のロバート・アラン事務所(ブリティッシュ・コロンビア州)による全体設計、エンジニアリング会社アスピン・ケンプ・アンド・アソシエーツ(プリンス エドワード島)による推進およびバッテリーシステム、およびハウボルト・インダストリーズ(ノバスコシア州)によるデッキ機器システム・エンジニアリングといった、カナダの革新的なグリーン技術を組み込んだ船舶を建造できる業者を求めている。

CCGによると、警備範囲の沿岸線は世界最長の243,000キロにも及ぶことから、バイオディーゼル燃料の使用比率向上や、グリーン技術導入型船舶の導入の成功・発展により、組織内だけでも相当なGHC排出量削減が期待できるという。CCGのマリオ・ペレティエ・コミッショナーは「この新しい電気ハイブリッド動力船と警備隊でのバイオディーゼルの使用は、未来に向けた造船とグリーン燃料の活用における重要な分岐点となる可能性がある」と述べている。

(高山さわ)

(カナダ)

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