米ロングビーチ港と神戸港、脱炭素化に向けた連携協定を締結
(米国、日本)
ロサンゼルス発
2022年10月31日
米国カリフォルニア州ロングビーチ港と神戸港は10月14日、港湾の脱炭素化に向け、「ロングビーチ港湾局と神戸市港湾局のパートナーシップ港に関する覚書」を締結した。両港は今後、水素の利活用などを通じた脱炭素化を共通目標として、港湾のハード整備や港湾オペレーションの高度化などに関して相互協力や情報共有を行う。
ロングビーチ港は、係留中船舶の二酸化炭素(CO2)削減を目的とした船舶への陸上電源供給設備を整備しているほか、2030年までに港内の全ての荷役機器を、2035年までに貨物輸送用トラックをゼロエミッション化するという目標を掲げており、すでに荷役機械の約17%が電動化されている。一方、神戸港は、「カーボンニュートラルポート(CNP)」の形成をはじめ、世界初の液化水素サプライチェーン構築の実証実験を行うなど、環境に配慮した港湾機能の高度化に取り組んでいる。
署名式において、神戸市長の久元喜造氏は「脱炭素という共通目標の取り組みが両港の発展に寄与することへの期待」を表明し、ロングビーチ市長のロバート・ガルシア氏は「神戸港と一緒に脱炭素という共通の目標に向かって成長したい」と述べており、両港は今回の覚書の締結を通じて、港湾の脱炭素化の実現に向けた取り組みをより一層加速させるとみられる。
上記以外の港湾の脱炭素化に向けた取り組みとして、ロサンゼルス港と名古屋港は2020年2月、環境面の持続可能性と業務効率分野における情報共有を目的とした覚書を締結し、民間企業も交えて情報交換のための会議を継続している。
(永田光)
(米国、日本)
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