米英が「技術とデータに関する包括対話」立ち上げ、データ移転の取り決めでも前進

(米国、英国)

ニューヨーク発

2022年10月14日

米英両政府は10月7日、「技術とデータに関する包括対話」の立ち上げを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2021年6月に米国のジョー・バイデン大統領と英国のボリス・ジョンソン首相(当時)が会談した際、共同声明で「技術パートナーシップ」を構築すると発表しており、包括対話はそれに基づくものとなる(2021年6月11日記事参照)。

包括対話は年1回開催し、米国側は商務次官補(産業・分析担当)と国務省サイバー空間・デジタル政策局特使(注1)が代表を務める。英国側は外務・英連邦・開発省とデジタル・文化・メディア・スポーツ省の高官が率いる。

包括対話の立ち上げに際し、米国のジーナ・レモンド商務長官と英国のミシェル・ドネラン・デジタル・文化・メディア・スポーツ相は共同声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、「技術パートナーシップ」のこれまでの成果を強調した。具体的には、半導体分野の連携のほか、通信関連サプライチェーンの多様化や量子情報科学・技術の協力などを挙げた。包括対話では、これらの取り組みに基づいて、今後1年でデータや、重要・新興技術、安全で強靭(きょうじん)なデジタルインフラの3分野を集中的に扱うとしている。

共同声明では、米英間のデータ流通にも言及した。英国は、バイデン大統領が10月7日に発表した「EU米国データ・プライバシー枠組み」の実施に関する大統領令(2022年10月11日記事参照)を歓迎し、英国として同大統領令に盛り込まれた措置の評価を速やかに完了させる意向を示した(注2)。一方、米国は同大統領令に基づき、インテリジェンス機関による個人データの扱いについて救済を求めることができる国として、英国も指定するよう取り組むとした(注3)。商務省の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、レモンド商務長官は10月7日、英国を訪問してケミ・バデノック国際通商相と会談した際にも、米英間のデータ流通に関して、包括対話での時宜にかなった進展を強調した。

(注1)国務省サイバー空間・デジタル政策局は2022年4月に発足した。サイバーやデジタル技術に関わる国家安全保障上の課題などに対応することを目的とする。同局を率いる特使として、海兵隊やサイバーセキュリティーソフトウエア企業での経歴を持つナサニエル C.フィック氏が上院の承認を経て9月に就任した。

(注2)英国はEU離脱に伴い、EUの一般データ保護規則(GDPR)と同様の国内法(UK GDPR)を導入している。英国は今後、UK GDPRに基づくデータ保護基準が米国によって阻害されないかを評価し、個人データの移転を認める「十分性認定」を米国に与えるかを決定する。

(注3)「EU米国データ・プライバシー枠組み」の実施に関する大統領令では、司法長官が指定する国・地域から米国に移転された個人データに関して、個人情報が米国法に違反して収集または取り扱われたと主張する個人のために、独立した拘束力のある審査と救済を受けられる制度を導入することを定めている。

(甲斐野裕之)

(米国、英国)

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