WIPOがグローバル・イノベーション・インデックス最新版発表、香港は14位を維持

(香港)

香港発

2022年10月06日

世界知的所有権機関(WIPO)は9月29日、グローバル・イノベーション・インデックス(GII)の2022年版の報告書(注1)を公表した。

GIIの総合ランキングにおいて、香港特別行政区(以下、香港)は、前年に引き続き、132カ国・地域の中で14位、アジア地域で5位を維持した。なお、全体の1位はスイス、2位は米国、3位はスウェーデンだった。アジア地域では、最上位が韓国で6位と前年から1つ順位を下げたほか、シンガポール(7位)、中国(11位)、日本(13位)と続いた。

香港は、GIIを構成する7つの評価項目のうち、「市場の洗練度」において米国に次ぐ2位を獲得したほか、「イノベーション・アウトプット」(5位)と「インフラ」(6位)でも上位に位置した。一方、「知識および技術の産出」では60位(注2)、「事業の洗練度」でも27位(注3)にとどまった。

また、同報告書の中では、科学技術開発が集中している地域について「科学技術クラスター」としてランキングを公表している。同ランキングでは、前年に引き続き、1位「東京・横浜」に次いで「深セン・香港・広州」が2位を維持した。なお、続く3位の北京、4位のソウル、5位の「サンノゼ・サンフランシスコ」についても前年から順位の変動はなかった。

(注1)日本を含む132の国・地域のイノベーション・パフォーマンスをランク付けした年次報告書。WIPOのウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに掲載されている。GIIは、イノベーションの全体像を可能な限り把握することを目的として、(1)制度、(2)人的資本と研究、(3)インフラ、(4)市場の洗練度、(5)事業の洗練度、(6)知識および技術の産出、(7)創造的なアウトプットの7項目から構成される約80の指標について評価された指数。

(注2)同項目に属する指標のうち、最も順位が低かったのは「ハイテク製品輸出(貿易総額に占める割合)」(117位)、次いで「ICTサービス輸出(貿易総額に占める割合)」(100位)だった。

(注3)同項目に属する指標のうち、最も順位が低かったのは「ICTサービス輸入(貿易総額に占める割合)」(123位)、次いで「知的財産権に関する支払い(貿易総額に占める割合)」(79位)だった。

(島田英昭)

(香港)

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