ソナトラック、天然ガス増産見込みを発表

(アルジェリア)

パリ発

2022年10月12日

アルジェリア国営公社ソナトラックのラシッド・ゼルダニ経済・計画戦略担当副総裁は928日、国営ラジオ放送局のインタビュー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに対して、同社の天然ガスの年間生産量は約1,300億立方メートルに達しているが、2022年に1,340億立方メートル、2023年に1,400億立方メートルに増産する見込みだと述べた。

ガス・石油の生産能力維持を目的とした400億ドルの5カ年投資計画(2022年1月21日記事参照)の実施により、ソナトラックはアルジェリア南部の新規石油・ガス田の探鉱と開発を加速している。また、傾斜掘りやマルチドリルなどの新技術の導入により、既存の石油・ガス田の生産性の向上も目指す。さらに、エネルギー大手のトタルエナジーズ(フランス)やエニ(イタリア)など、外国企業とのパートナーシップに基づく投資計画を拡大し、オフショア事業をはじめ、新規石油・ガス田の開発および既存石油・ガス田の増産を実施する意向も明らかにした。

一方、国内で消費している天然ガスの量は現在450億~500億立方メートルを占め、人口増加に伴い消費量は年間平均45%増を記録している。その結果、2019年には消費量が輸出量を初めて上回った(添付資料図参照)。

欧州諸国の脱ロシア依存を受け、アルジェリア政府はイタリアなどに対して天然ガスの追加供給を約束している。ソナトラックは、石油・ガス田の老朽化に伴い2018年から下がっている生産能力を増強するとともに、再生可能エネルギーの普及(2022年1月14日記事参照)および省エネ措置の実施により国内の天然ガスの消費拡大を抑制することができれば、輸出能力の回復に寄与すると期待している。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア)

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