米ヒューストン市セミナーを東京で開催、ターナー市長は日本との関係が重要と強調

(米国、日本)

米州課

2022年10月25日

ジェトロは1024日、「ヒューストン・ビジネス・セミナー」を東京で開催した。ヒューストン市、グレーター・ヒューストン・パートナーシップ、在ヒューストン日本総領事館、ヒューストン日本商工会が共催した。

米国テキサス州南東部に位置するヒューストンは、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴに次いで全米4位の人口を有する国際都市で、「米国南部の首都」ともいわれる。セミナーの開会あいさつに立ったジェトロの曽根一朗理事は、同市にエネルギー産業を中心にさまざまな産業が集積していることを紹介し、「ヒューストンは人、企業、情報が集い、インフラが整う、米国で最も勢いのある都市の1つ」と述べた上で、多くの日本企業がヒューストンでのビジネスに高い関心を抱いていると説明した。

基調講演を行ったヒューストン市のシルベスター・ターナー市長(民主党)は「ヒューストンにとって日本ほど素晴らしいパートナーはいない」と述べ、同市と日本との貿易額が2021年には115億ドルに達したほか、100社以上の日本企業がヒューストン市や周辺に大規模な投資を行っていると説明した。また、同市とダラス市を結ぶ米国初の高速鉄道システムの構想に触れ、「われわれが活用しようとしているのは日本のテクノロジーだ」と述べた。さらに、同市と日本との関係について、「経済的な関係に加えて、文化的、政治的にもつながりがあるからこそ、われわれの関係は特別」とし、千葉市との姉妹都市協定が1972年の締結から2022年で50年を迎えることを例に挙げ、「相互に安定した信頼のおける関係性はこの時代に特に重要だ」と強調した。

ターナー市長は、同市について「特に強固な陸海空のインフラ網により、同市がテキサス州内や米国内のみならず、ラテンアメリカ市場との貿易や取引に最適なゲートウェイとなっている」と、そのアドバンテージを強調した。また、同市はエネルギー産業のみならず、エネルギー関連企業や技術者の集積により、水素、太陽光、風力、炭素回収・貯留(CCS)など、脱炭素に向けたトランジションエネルギーの分野でも世界をリードしていると説明した。加えて、同市にある世界最大規模の医療複合施設「テキサス・メディカル・センター」を中心にライフサイエンス分野、米国航空宇宙局(NASA)ジョンソン宇宙センターなどを中心に宇宙航空分野で成長が続いている状況を説明した。

写真 ヒューストン市シルベスター・ターナー市長(ジェトロ撮影)

ヒューストン市シルベスター・ターナー市長(ジェトロ撮影)

そのほか、セミナーでは日本企業のヒューストン展開を支援する経済開発団体や同市進出日系企業が同市の魅力を説明したほか、セミナー後にはネットワーキングを実施した。曽根理事、ターナー市長以外のセミナーでの登壇者は以下のとおり。

グレーター・ヒューストン・パートナーシップ(GHP)、会長兼最高経営責任者(CEO)、ボブ・ハービー氏

ヒューストン市、最高開発責任者、アンディ・イーケン氏

・GHP、上級副会長兼最高経済開発責任者、スーザン・ダベンポート氏

ヒューストン・ファースト、上級副社長(観光・産業関係担当)、ジョージ・フランツ氏

米州住友商事会社、理事 米州総支配人補佐 鋼管グループ長 兼 ヒューストン店長、川上篤樹氏

全日本空輸、ヒューストン支店長、名川譲氏

ジェトロ、ヒューストン事務所長、桜内政大氏(司会)

写真 上段左から:ジェトロ桜内氏、米州住友商事川上氏、GHPスーザン氏、ヒューストン・ファースト フランツ氏、全日本空輸名川氏。下段左から:ヒューストン市イーケン氏、ヒューストン市ターナー市長、ジェトロ曽根氏、GHPハービー氏(ジェトロ撮影)

上段左から:ジェトロ桜内氏、米州住友商事川上氏、GHPスーザン氏、ヒューストン・ファースト フランツ氏、全日本空輸名川氏。下段左から:ヒューストン市イーケン氏、ヒューストン市ターナー市長、ジェトロ曽根氏、GHPハービー氏(ジェトロ撮影)

なお、ジェトロは20232月に、ヒューストンを含むテキサス州主要都市のビジネス環境の理解促進を目的とした、日本企業向けの現地視察ツアー(セレクト・テキサス・インベストメント・ツアー)を実施予定で、参加募集は202211月後半を予定している。

(葛西泰介)

(米国、日本)

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