中国共産党が新たな最高指導部を選出、習総書記は3期目に

(中国)

北京発

2022年10月25日

中国共産党は10月23日、第20期中央委員会第1回全体会議(1中全会)を開催し、中央政治局委員会および常務委員会の各委員などを選出した。第20期の中央委員会の委員は、10月22日に終了した中国共産党第20回全国代表大会(20大)(2022年10月18日記事参照)で選出された(注1)。

最高指導部となる常務委員会では、以下7人が委員に選出された(序列順、肩書は20大開催前の党・政府などでの主な役職、以下同じ)。

  1. 習近平(総書記、再選)
  2. 李強(上海市書記)
  3. 趙楽際(中央紀律検査委員会書記、再選)
  4. 王滬寧(中央全面深化改革委員会弁公室主任、再選)
  5. 蔡奇(北京市書記)
  6. 丁薛祥(中央書記処書記)
  7. 李希(広東省書記)

習氏は併せて、中央委員会の総書記としても選出された。前任の総書記である胡錦涛氏(第15期に選出)は2期10年で引退したが、習氏(第18期に選出)は総書記として3期目も継続することになる(注2)。

李希氏は党の腐敗などを取り締まる中央紀律検査委員会書記にも選出されており、趙氏の業務を引き継ぐとみられる。また、蔡氏は中央書記処の序列1位の書記に選出されている。

中央政治局委員会では常務委員となった7人のほか、馬興瑞(新疆ウイグル自治区書記)、王毅(外交部長)、尹力(福建省書記)、石泰峰(中国社会科学院長・書記)、劉国中(陝西省書記)、李乾傑(山東省書記)、李書磊(中央宣伝部副部長)、李鴻忠(天津市書記、再選)、何衛東(東部戦区司令員)、何立峰(国家発展改革委員会主任・書記)、張又侠(中央軍事委員会副主席、再選)、張国清(遼寧省書記)、陳文清(中央国家安全委員会弁公室副主任、国家安全部部長・書記)、陳吉寧(北京市長・副書記)、陳敏爾(重慶市書記、再選)、袁家軍(浙江省書記)、黄坤明(中央宣伝部部長、再選)の各氏が委員に選出された。

2012年に当時最年少で政治局委員となった胡春華(副首相)氏は選出されておらず、降格となった。2022年9月には党幹部などの昇進・降格に関する規定の改定版が発表され、降格の条件として「中国の特色ある社会主義思想など重要な原則についての立場が堅固でない」といった内容が追加されていた。

また、中央軍事委員会の主席には習氏(再選)、副主席には張又侠(再選)、何衛東の両氏が選出された。

(注1)中国共産党規約では、中央委員会は「党の最高領導機関」とされており、中央委員と候補委員からなる。両委員は全国代表大会で選出される。中央委員会全体会議は毎年少なくとも1回開催され、閉会中は中央政治局委員会および常務委員会が同会議の職権を行使する。中央委員会の総書記は、常務委員から選出するとされている。第20期は中央委員205人、候補委員171人が選出された。

(注2)胡錦涛氏の前任である江沢民氏は、1989年に趙紫陽氏の退任に伴い総書記に就任、1992年の第14期の1中全会であらためて総書記に選出され、2002年まで務めた。現在、各期の中央委員会の任期は5年とされている。

(河野円洋)

(中国)

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