新投資政策を発表、ESG分野に重点

(マレーシア)

クアラルンプール発

2022年10月18日

マレーシア国際貿易産業省(MITI)は106日、国家投資目標(NIA)に基づく「新投資政策PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を発表した。NIAは投資政策の主要な指針で、20214月の閣議で採択した。質の高い投資の促進を通じた経済回復、競争力向上、包括的な開発の遂行を目的とし、(1)経済の高度化や多様化、(2)価値の高い雇用機会の創出、(3)国内連携の拡大、(4)新規・既存の経済クラスターの開発、(5)包括性の向上の5本柱を掲げている。

新投資政策では、マレーシアの投資エコシステムを再活性化し、促進するための重要な戦略を打ち出した。とりわけ、環境・社会・カバナンス(ESG)原則の順守に重きを置き、環境に配慮した投資の拡大やハイテク分野の雇用創出を図り、包括的かつ持続可能な経済成長を推進するとしている。

新投資政策では、(1NIAESGアジェンダに関する統一的な投資戦略の策定、(2)投資家のニーズを満たす機敏で前向きな投資優遇パッケージ、(3)投資促進機関の役割と責任の明確化、(4)イノベーションエコシステムの加速、(5)市場のニーズを満たす活気ある人材プールの構築、(6)合理化されたビジネス環境によるビジネスのしやすさ向上の6つを戦略的推進力に据えた。

また、同政策では、投資変革を重点的に進める産業として、第1に電気電子、医薬品、デジタル経済を挙げた。第2に挙げた重点産業は化学と航空宇宙だが、医療機器を含めたその他産業についても、今後の政府の検討次第では対象となる可能性がある。

アズミン・アリ国際貿易産業相は新投資政策の発表に際し、「このような国全体のアプローチは、マレーシアの経済が(新型コロナウイルスの)パンデミックから抜け出し、持続可能な経済回復に向けて力を発揮する中で、ますます重要性が増している」と強調した。

写真 新投資政策のローンチイベントの様子(ジェトロ撮影)

新投資政策のローンチイベントの様子(ジェトロ撮影)

(エスター頼敏寧)

(マレーシア)

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