ジェトロなど、トロントで日本酒セミナーと試飲商談会を開催

(カナダ、日本)

トロント発

2022年10月12日

ジェトロは10月1日、日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)およびカナダ・オンタリオ州日本酒協会(Sake Institute of Ontario:SIO)との共催で、飲食業界関係者やメディアを対象とした日本酒セミナーと試飲商談会を開催した。本セミナーは、トロントで開催10回目を迎える日本酒啓発イベント「カンパイ・トロント」の一部として実施された。新型コロナ禍でのオンライン開催を経て、2年ぶりの対面開催となったセミナーには178人の参加登録があり、大勢の業界関係者でにぎわった。

開会あいさつでジェトロ・トロント事務所の斎藤健史所長は「2021年のカナダへの日本酒の輸出額は前年比6割増、輸出量は4割増となった。第1回カンパイ・トロントが開催された2012年と比較すると、輸出額は3倍、数量は5割増となっている。この数字が示すように、SIOの努力もあり、カナダでは高品質な日本酒に対する認識と評価が確実に広がっている」と述べ、カナダでの市場拡大について説明した。

セミナーでは、SIOの教育担当ディレクターで酒サムライ(注)のマイケル・トレンブリー氏が、日本酒初心者や中級者を対象としたセミナーを2回実施し、合計6種類の日本酒を試飲しながら、日本酒の持つ地域性について解説した。

写真 日本酒の地域性について説明するマイケル・トレンブリー氏(ジェトロ撮影)

日本酒の地域性について説明するマイケル・トレンブリー氏(ジェトロ撮影)

また、セミナーと並行して開催された、巡回型の試飲商談会場では、50を超える酒蔵から200銘柄以上の日本酒が試飲用に並べられ、和食のみならず、フランス料理レストランのオーナーらも商品の買い付けを行った。

写真 多くの飲食業界関係者でにぎわう巡回型試飲会場(ジェトロ撮影)

多くの飲食業界関係者でにぎわう巡回型試飲会場(ジェトロ撮影)

カナダでは9月に、レストラン格付け誌「ミシュランガイド」が、同国で初となるトロント版を発表し、星付きレストラン13軒のうち5軒に日本食レストランが選ばれる(2022年9月22日記事参照)など、日本食文化の浸透が進む。こうした情報も、カナダでの日本酒市場拡大に追い風となる可能性がある。

(注)全国の若手蔵元で組織される日本酒造青年協議会が、日本酒文化を日本国内のみならず、広く世界に伝えていくために、日本酒を愛し育てるという志を同じくする人に与える称号。

(飯田洋子)

(カナダ、日本)

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