カナダ初のミシュランガイド・トロント、星付きレストラン13軒のうち日本料理店が5軒

(カナダ、日本、フランス)

トロント発

2022年09月22日

フランスのタイヤメーカーのミシュランによるレストラン格付け誌「ミシュランガイド」は913日、カナダで初めてとなるオンタリオ州トロント版を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、レストラン13軒に星を付けた。今回、最高ランクの「3つ星」はなく、1軒が「2つ星」、12軒が「1つ星」を獲得した。加えて、ビブグルマン(注)17軒、おすすめレストラン44軒の合計74軒のレストランが選出された。

唯一2つ星を獲得したのは日本料理店(スシ・マサキ・サイトウ)で、1つ星にも日本料理店4軒(アブリ・華、懐石遊膳橋本、匠心、ユカシ)が選ばれ、和食が存在感を示している。当地のメディアも「日本料理とコンテンポラリー料理がトロント版ミシュランガイド第1弾にランクイン」という見出しで報じた(CBCニュース913日)。

トロント市では、新型コロナ禍の前からミシュランガイドの誘致を進めていたが、ミシュランによる審査を経て、カナダでは初めて、また、北米では6番目のミシュランガイドの選定地となったことを5月に発表していた。

同市観光局によると、新型コロナ禍による観光客喪失から、同市では20202021年に125億カナダ・ドル(約13,500億円、Cドル、1Cドル=約108円)の経済的損失が発生した。飲食産業はカナダの観光事業で最大の雇用分野で、観光事業雇用の半数以上を占めるとされ、トロントのミシュランガイドは、打撃を受けた業界の回復を後押しする機会として選定が待たれていた。

発表を受け、ジョン・トーリー市長は「トロントという都市では、非常に多様でユニークな食の場面を提供できることを誇りに思っている。それは、この街を故郷とするために世界中からやってくる全ての人々によって実現されてきた」と述べ、今回の選定で「より多くの世界の人々がこの街の食の素晴らしさを知り、この偉大なる街への訪問を検討してくれることを期待している」と語った。

なお、カナダでは、バンクーバーもミシュランガイドの対象都市となることが発表されており、今秋に選定結果が公開される予定となっている。

(注)1997年「価格以上の満足感が得られる料理」を提供するレストランのセレクションとして登場。価格は国ごとに設定され、特徴として、シンプルな調理法で気軽に食べられること、自宅でもまねしたくなるような料理であること、良心的な価格で満足できることなどが挙げられている。

(飯田洋子)

(カナダ、日本、フランス)

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