中銀が政策金利を再度引き上げ、4.75%に

(インドネシア)

ジャカルタ発

2022年10月31日

インドネシア中央銀行(BI)は10月20日、前日の19日から2日間開かれた理事会の結果、政策金利の7日間リバースレポ金利を4.75%に引き上げると発表した(10月20日付BIプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。併せて、翌日物預金ファシリティー金利、貸付ファシリティー金利についても、それぞれ4.00%、5.50%に引き上げた。8月と9月に続く3カ月連続の利上げとなった。

プレスリリースでBIは政策金利の引き上げについて「現在、高まり過ぎているインフレ圧力を引き下げ、2023年前半にコアインフレ率を2~4%に戻すための予防的かつ前向きな措置」と、9月の引き上げ時と同様の説明を行った。

インドネシア中央統計庁の発表によると、9月の消費者物価指数の上昇率は、前年同月比5.95%と、上昇幅が拡大した(2022年10月7日記事参照)。エネルギー価格の上昇やそれに伴って政府が行った燃料価格引き上げが大きく影響した。

政策金利の利上げを受けて、10月20日のインドネシア証券取引所のジャカルタ総合指数(JCI)は値を上げて取引を終えた。ピラルマス・インベスティンドのマキシミリアヌス・ニコ・デムス氏は「市場は中央銀行の通貨安定化に資する政策を好意的に受け取っている」とした。その上で同氏は、BIが市場に介入し続けることはできないとし、「(米国の)FRB(連邦準備制度理事会)の利上げは依然として市場関係者の懸念事項だ。インドネシアが脆弱(ぜいじゃく)な新興市場であると認識し、これからも市場の安定に適応しなければならない」と示唆した(「ビスニス」紙10月20日)。

(尾崎航)

(インドネシア)

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