憲法裁判所、プラユット首相の任期を2025年までと判決

(タイ)

バンコク発

2022年10月04日

タイの憲法裁判所PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は9月30日、首相としての職務停止中のプラユット・チャンオーチャー氏について、首相在任期間(8年間)をまだ終えていないとの判断を6対3で議決した。

憲法裁判所の判決によると、プラユット氏は、野党連合が主張した2014年8月の軍事クーデターからではなく、現行憲法が施行された2017年4月6日から首相になったと判断。同日から起算した場合、8年間の在任期限にまだ達していないため、2022年8月24日から首相の職務を停止していたプラユット氏は首相職に復帰、2025年4月に在任期間を終えることになる。

プラユット首相は自身のフェイスブック外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、残りの在任期間に交通やデジタル関連の重要なインフラプロジェクトなどをフォローアップ、完成まで推し進めると発信した。

今回の件について、タイ商工会議所(TCC)のサナン・アンウボンクン会長は「裁判所の判決は国の経済回復にとって明るい兆し」とコメント外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。理由として、プラユット氏が首相の職務を再開すれば、政府は予算承認やその他の重要事項を進めることができ、地場企業と外国企業双方のタイに対する信頼を取り戻すことができると説明した。また、タイが議長国としてAPEC首脳会議を予定どおり開催できることへの期待も挙げた。

一方で、サナン氏は、今後の国会外の政治的な動きに懸念を表明した。下院が4年の任期を終える2023年に総選挙が予定されている。そのため、同氏は、政府が反政府運動を推進する抗議者たちに歩み寄って国内の意見対立を乗り越え、緊密な意思疎通を図るよう提案した。

(ナオルンロート・ジラッパパー、藤田豊)

(タイ)

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