第3四半期のGDP成長率は前期比0.3%、緩やかな持続的成長の見込み

(韓国)

中国北アジア課

2022年10月31日

韓国銀行(中央銀行)は10月27日、2022年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率(速報値)が前期比で0.3%だったと発表した。厳しい状況の中でも民間消費と設備投資が経済を下支えた。新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年第1四半期および第2四半期にはそれぞれマイナス1.3%とマイナス3.0%を記録したが、同年第3四半期に2.3%となってからはプラス成長が続いている。

第3四半期の支出項目別の実質GDP成長率(前期比)は以下のとおり(添付資料表1参照、前年同期比の支出項目別実質GDP成長率は添付資料表2参照)。

  • 民間消費:耐久財(乗用車など)とサービスが増加し、1.9%増。
  • 政府消費:物件費の支出を主として、0.2%増。
  • 建設投資:非住居用の建物建設が増加し、0.4%増。
  • 設備投資:機械類と運送装置が全て増加し、5.0%増。
  • 貿易:輸出は半導体が減少したものの、運送装置やサービスなどを中心に1.0%増、輸入は原油や機械・装備などが5.8%増。

業種別にみると、農林漁業は畜産業を中心に5.5%増、製造業はコンピュータ・電子および光学機器、化学製品などが減少して1.0%減、電気・ガス・水道事業は電気業を中心に0.3%増加した。さらに、建設業は建物および土木建設の増加により1.8%増、サービス業は卸・小売業および宿泊飲食業、金融保険業、運輸業、文化およびその他サービス業などが0.7%増加した。

ファン・サンピル韓国銀行経済統計局長は同日の記者会見で、2022年の年間成長率は、第4四半期が前期比0%成長でも、同行の予測値の2.6%成長は達成可能だと述べた。一方、経済回復は継続するものの、金利上昇や物価動向などの要因により緩やかな回復になるだろうと見解を示した。

(益森有祐実)

(韓国)

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