米カリフォルニア発の「空飛ぶクルマ」ジョビー、国交省へ型式証明を申請

(米国、日本)

サンフランシスコ発

2022年10月25日

商業用の電動垂直離着陸機(eVTOL)を開発するジョビー・アビエーション(本社:カリフォルニア州サンタクルーズ)は10月18日、同社が開発するeVTOLについて、日本の航空法に基づき安全性などを示す型式証明(注)を国土交通省に申請したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。国土交通省は同日、同社からの申請を受理したと発表した。

ジョビーが型式証明を申請するのは、米国、英国に続いて、日本が3カ国目となる。また日本において、外国製の「空飛ぶクルマ」の型式証明の申請は初めてとなる。なお、国産では、スカイドライブ(本社:愛知県)が2021年10月に型式証明を申請している。

今回、型式証明を提出したジョビーのeVTOLは、搭乗者数5人(パイロット1人、乗客4人)で、1回の充電で最大150マイル(約240キロ)の距離を飛行可能、さらに最大で時速200マイル(約320キロ)の速度を出すことが可能だ。同社の創業者兼最高経営責任者(CEO)のジョーベン・べバート氏は「日本では、都市部に人口の92%が集中しており、私たちは東京・横浜・大阪のような混雑した都市で人々の時間を節約するとともに、環境への負荷を軽減する目覚ましい機会がある」と日本でのビジネス展開に期待を寄せた。

ジョビーには、トヨタ自動車が2018年に戦略的パートナーとして参画している。製造プロセスの開発や大量生産に関する知見の提供に加えて、トヨタ自動車は、同社最大の外部投資家として、現在までに約4億ドルを投資している。また、同社は2022年2月には、日本市場への空中ライドシェアの導入に向けたANAホールディングスとパートナーシップを結んだ。将来的には空中ライドシェアを利用することで、大阪駅から関西空港までを15分未満で移動できるようにすることを目指している。

なお、米国カリフォルニア州では、ジョビーのほかにも、ウィスク・エアロ(本社:カリフォルニア州マウンテンビュー)が10月3日に同社の第6世代モデルで自動飛行が可能な4人乗りeVTOLの開発を発表している(2022年10月7日記事参照)。

(注)機体の設計が安全性および環境適合性に関する基準に適合することを国が審査および検査する制度のこと。

(石橋裕貴)

(米国、日本)

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