オゾン層保護法改正案が国務会議で議決、2024年からHFC使用を規制

(韓国)

ソウル発

2022年10月13日

韓国産業通商資源部は10月11日、ハイドロフルカーボン(HFC)削減のため、「オゾン層保護のための特定物質の製造規制などに関する法律」の一部改正案が国務会議で議決されたと発表した。今回の改正案は、オゾン層破壊を防止するための国際条約「モントリオール議定書」の「キガリ改正」でHFCが規制対象物質に追加されたことに伴う国内措置(注1)。

HFCはモントリオール議定書で、オゾン層破壊物質として削減対象となった「特定フロン」(クロロフルオロカーボン:CFC、ハイドロクロロフルオロカーボン:HCFC)の代替として、冷蔵庫の冷媒や断熱材の発泡剤として使用されるほか、半導体製造プロセスでもエッジングで使用されている。HFCはオゾン層破壊物質ではないものの、温室効果が非常に高い物質として、モントリオール議定書のキガリ改正で削減対象に追加された。

今回の改正案では、「特定物質」にHFCを追加し、CFCやHCFCなどのオゾン層破壊物質を第1種、HFCを第2種に分類することにより、特定物質の製造時に副産物として排出されるHFC-23(注2)に「最大限破壊義務」を課すための根拠を整備した。さらに、支援措置として、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)への転換支援なども併せて行う。

今後は、公布から6カ月後に施行、関連する下位法令などを整備し、2024年から第2種特定物質としてのHFCの削減が開始される。HFCの製造・輸入・販売者は同法施行から2カ月以内に製造業許可、2023年の製造総量と輸入許可、販売計画の承認を受ける必要がある。

(注1)韓国では2024年から議定書の義務が発効。2020~2022年を基準年として、2024年から凍結、2029年から10%削減、2035年から30%削減、2045年から80%削減となる。

(注2)高純度エッジングガスの成分のHFC-23は18種類のHFCのうち、地球温暖化係数(GWP)が14,800と最も高い。

(当間正明)

(韓国)

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