9月のインフレ率は2カ月連続低下も、今後は厳しい見通し

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2022年10月19日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は10月14日、9月の消費者物価指数(CPI)上昇率PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。全国平均値で前月比6.2%上昇したが、8月に続き、前月比では緩やかに減速している。前年同月比(年率)では83.0%上昇し、再び過去30年間で最高を更新している(添付資料図参照)。1~9月の累計上昇率(前年12月比)は66.1%に達した。

INDECによると、季節によって価格が変動する生鮮食品や観光サービスなどの財・サービスは9月単月で前月比11.7%の大幅上昇を記録した。エネルギーや公共サービスなど価格統制された財・サービスは4.5%、季節要因と価格統制要因を除いたコアインフレ率は5.5%上昇した。

9月単月の上昇率を費目別にみると、前月比で再び大きく上昇したのは衣類・靴類10.6%で、年率では約2.2倍になった。ほかにも、酒類・たばこは前月比9.4%、CPIに占める比重が大きい食品・飲料(酒類を除く)は6.7%だった(添付資料表1参照)。

ジェトロが10月15日にブエノスアイレス市内で価格調査を行った結果、フランスパンと牛乳が前月比で約30%上がり、値上がり幅の大きさが目立った。鶏卵や炭酸飲料、ビールも前月比で10%超上昇した(添付資料表2参照)(注)。

セルヒオ・マッサ経済相は10月14日、「2カ月連続でインフレを減速させることができたが、この数字には満足していない。月ごとに徐々に(インフレが)下がるよう日々努めている」と発言した。16日に同氏は、食品、飲料、日用品、家電、薬品、肉類などの価格を90日間据え置く制度「プレシオス・フストス」を導入すると発表した。既に実行しているその他の価格凍結制度とは異なり、今回の制度では、据え置いた価格を製品自体にシールで貼り付けて、商店などが価格を勝手に変えられない仕組みとする狙いだ(10月16日付現地紙「インフォバエ」)。

民間エコノミストらの分析によると、第4四半期(10~12月)に物価上昇が減速するとは考えにくいため、年間インフレ率が3桁に達することはほぼ確実だ。10月にはこれまで導入が遅れていた電気やガス料金が値上げされ、燃料の価格も上がる。さらに、さまざまな業界で賃上げが実行されているため、物価上昇に影響するとみている(10月14日付現地紙「ラ・ナシオン」)。

(注)ブエノスアイレス市内のスーパー数店舗の価格を定点で観測。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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