観光都市リオで日本産和牛・精米の料理試食会実施、他国産との違いを好感

(ブラジル、日本)

サンパウロ発

2022年10月06日

ジェトロは927日、ブラジルの在リオデジャネイロ総領事公邸で、バイヤーやインフルエンサー向けに日本産和牛と精米の使った料理の試食会を行い、両産品の受容性を探った。

世界有数の観光名所で、ブラジル第2の人口を有するリオデジャネイロの市民の間では、日本産和牛の認知度は決して高くない。そこでジェトロは、まずバイヤーやインフルエンサーに対する試食会を開催することで、より多くの消費者の関心を喚起し、両産品の市場拡大を図り、日本からの輸入量増加につなげていくことを狙いとしている(注)。

試食会には、リオデジャネイロ州スーパーマーケット協会やブラジル・ホテル協会リオデジャネイロ支部の代表者、和食レストラン経営者、グルメや小売店専門のインフルエンサーなどが招かれた。ジェトロ・サンパウロ事務所の職員が、日本産和牛と外国産和牛の違いを説明。日本産和牛が高価な背景などについて情報提供を行った。

試食会では、公邸料理人による趣向を凝らした食べ方が提案・紹介された。例えば、和牛の旨味(うまみ)成分をブラジルの野菜でつつむ生春巻き、和牛の叩(たた)き風サラダ、和牛の寿司(すし)、精米では焼きおにぎり、米菓(せんべい)などとして紹介した。

日本産和牛を試食した参加者らは「海外で生産された和牛しか食べたことがなく、日本産和牛の柔らかさに驚いた」「富裕層は気に入れば高額でも問題がなく、こうした希少な和牛はブラジル市場で価値がある」などと日本産和牛を評価するコメントがあった。また、「日本産和牛の中にも格付けのランクがあること、血統書や長期の育成など和牛が高価になる理由がわかった」とコメントしている。

精米については、参加者全員が「ブラジル産のジャポニカ米との違いを感じた」と評価した。「精米はいつ本格的な輸入が実現するのか」と、精米への関心の高さがうかがえる質問がある一方で、「実際にレストランで提供できるかは価格次第」との慎重な見方も出た。

写真 あいさつを行った原ジェトロ・サンパウロ事務所長(左)(ジェトロ撮影)

あいさつを行った原ジェトロ・サンパウロ事務所長(左)(ジェトロ撮影)

写真 ジェトロ・サンパウロ事務所のエリーナ・川口所員による日本産和牛の魅力説明(ジェトロ撮影)

ジェトロ・サンパウロ事務所のエリーナ・川口所員による日本産和牛の魅力説明(ジェトロ撮影)

(注)販売目的の日本産和牛は、2019年に初めて輸入されている(2019年3月22日記事参照)。輸入に際して使用されているNCMコードは02023000。同コードで経済省貿易統計(COMEXSTAT)をみたところ、輸入量は重量ベースで2019年が3,516キロ、2020年が3,001キロ、2021年が4,475キロとなっている。2022年については、1月から6月までの輸入量で3,963キロと、上半期時点で前年比89%に達している。

(斎藤裕之)

(ブラジル、日本)

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