インド企業の雇用見通し、世界で2位に

(インド)

アジア大洋州課

2022年10月03日

人材派遣会社大手マンパワーグループ(本社:米国ウィスコンシン州)は9月19日、同社が四半期ごとに行っている、「マンパワーグループ雇用予測調査」の結果を発表した(注1)。同調査によると、2022年第4四半期(10~12月)の純雇用見通し(NEO、注2)について、インドは世界41カ国・地域のうち、ブラジル(56%)に次ぐ2番目(54%)で、前期7~9月期の51%から3ポイント上昇した(添付資料図参照)。今回の結果で、採用意欲がマイナスだった国は、ギリシャ(マイナス3%)およびハンガリー(マイナス5%)の2カ国のみだった。

また、アジア太平洋地域7カ国・地域の中では、インドの雇用見通しが最も高く、同地域内では中国(46%)、オーストラリア(38%)がインドに続いた。なお、日本(9%)と台湾(7%)は、同地域で最も採用意欲が低かった。

10~12月期のインドおよび全体の主な雇用見通しは以下のとおり。

  • インドは他の多くの国とは異なり、当期は堅調な経済成長が見込まれている。法人税が低く、グローバル・サプライチェーンの再構築が進んでいることから、同国は企業にとって有力な選択肢の1つと位置付けられている。
  • インドでは、北・南部で56%、西部で53%、東部で47%、と全4地域において、雇用者数の増加を予想している。
  • インドの雇用者数の増加を予測する企業は64%、採用意欲の低下を予測する企業は10%、変化なしと予測する企業が24%、未定が2%だった。
  • 採用意欲が最も前向きなのは、アジア太平洋地域(40%)と中南米地域(39%)で、期待値が高いブラジルとインドが牽引するかたちとなった。

インドの雇用市場は、売り手優位の明るい状況が当面続く見通しだ。

(注1)1962年に開始され、41カ国・地域を対象に、4万600以上の公的・民間企業の雇用主とのインタビューに基づき、四半期ごとの雇用動向を予測・測定している。

(注2)Net Employment Outlookの略。マンパワーグループが作成する、雇用者数の増加を見込む企業の比率から人員削減を見込む企業の比率を差し引いた指数。

(寺島かほる)

(インド)

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